名演小劇場で「アクト・オブ・キリング」を観る。自分がしてきたことを誇るはずだったのに、再現することで現れる変化。そしてラストは衝撃的! いろんな映画を観てきたけど、こんなに衝撃的だったのは初めてだ。

映画「アクト・オブ・キリング」|公式サイト 2014年4月 シアター・イメージフォーラム他 全国順次公開

1960年代のインドネシアで行われていた大量虐殺。その実行者たちは100万近くもの人々を殺した身でありながら、現在に至るまで国民的英雄としてたたえられていた。そんな彼らに、どのように虐殺を行っていたのかを再演してもらうことに。まるで映画スターにでもなったかのように、カメラの前で殺人の様子を意気揚々と身振り手振りで説明し、再演していく男たち。だが、そうした異様な再演劇が彼らに思いがけない変化をもたらしていく。

引用元:映画『アクト・オブ・キリング』 – シネマトゥデイ

インドネシアでは正しいと思われている虐殺だけど、その行為を聞くとやはり首をかしげる。英雄とされている人たち自身も、再現映画を撮っている過程でおかしかったんじゃないかと思うようになる。

そして、疑似体験とも言える状況を経験して決定的な心の変化が現れる。「相手の立場になって考える」という言葉が、まさにぴったり当てはまる。そして、現れたのは後悔のような、恐れのような感情。ラストシーンはそれまでに登場した場所なんだけど、その人にとっては見え方が全然違うようになってしまった。

そして、ある行為…! この話が持ちかけられなかったら絶対ありえなかったことになった。価値観が180度変わってしまった人を追いかけているドキュメンタリー作品です。

前回観た「ローン・サバイバー」もそうだったんだけど、正義と悪は表裏一体。勝ったほうが正義になり、負けたほうが悪になる。絶対的に正しいなんてことはこの世にはないんだ…。