TOHOシネマズ名古屋ベイシティで「ビッグ・アイズ」を観る。妻は夫を徹底的に憎む…という感じではなかったのは、好きや嫌いでは表せない夫婦の絆があったからかも。

映画『ビッグ・アイズ』公式サイト – ティム・バートン監督作品 2015.1 ROADSHOW

1950年代から1960年代にかけて、哀愁漂う大きな目の子供を描いた絵画「BIG EYES」シリーズが世界中で人気を博す。作者のウォルター・キーン(クリストフ・ヴァルツ)は一躍アート界で有名人になるものの、何と実際に制作していたのは内気な性格の妻マーガレット(エイミー・アダムス)だった。自身の感情を唯一表現できるBIG EYESを守るため、マーガレットは自分が描いたという事実の公表を考え……。

引用元:映画『ビッグ・アイズ』 – シネマトゥデイ

ウォルターを演じたクリストフ・ヴァルツがホント嘘くさいしゃべりをして「この人は口から次々に話を紡ぎだして人を信じこまてるなあ」と思ったよ。自分ではウソを言っているつもりはないんだよね、こういうタイプの人って。

法廷のシーンなんて、コントだったもの。必死になっているウォルターをマーガレットが見ているけど、それは呆れているというよりも微笑ましく見ている感じだった。離婚したとはいえ、嫌いではないんだろうな。

ボクには「ウォルターもマーガレットのことを考えているんだな」と感じたシーンがありました。マーガレットに「私が描きました」と言えるチャンスがあって、その時のウォルターの目は「ここで全部言っちゃってもいいよ。君のジャンジを、僕は受け入れよう」と語っているように見えたから。

実際はどういうものだったかは分からないけど、この作品ではマーガレットはそこまでウォルターを憎んではいないように感じました。ウォルターが時々見せる暴力的な振る舞いが嫌だっただけかもしれない。

憎い夫を訴えるという図式にしていなかったのは、受け入れたマーガレットも共犯だということなのか、それでも愛はあったからなのか。…あ、いや、愛は冷めていたかもしれない。「腐れ縁」とでも言うのかなあ。

熟年夫婦がこの作品を観たら、感想は違うのかもしれないな。「マーガレットの気持ち、分かるわあ! アタシもダンナと、なんとなく一緒にいるもんねえ」って思う奥様、いたりして。