TOHOシネマズ名古屋ベイシティで「ドリーム」を観る。ずーっとニヤニヤしっぱなし。社会に不満があるならば、こういうふうに声なき声をあげるべきだ。

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映画『ドリーム』オフィシャルサイト – 20世紀フォックス

1960年代の初め、ソ連との宇宙開発競争で遅れを取っていたアメリカは、国家の威信をかけて有人宇宙飛行計画に乗り出す。NASAのキャサリン・G・ジョンソン(タラジ・P・ヘンソン)、ドロシー・ヴォーン(オクタヴィア・スペンサー)、メアリー・ジャクソン(ジャネール・モネイ)は、差別や偏見と闘いながら、宇宙飛行士ジョン・グレンの地球周回軌道飛行を成功させるため奔走する。

引用元:映画『ドリーム』 – シネマトゥデイ

声高に叫ばない、社会との戦い。それが痛快!

この作品では黒人差別のシーンがいくつか出てくる。描かれている1960年代では、それが普通であったと言わんばかりに、さりげなく、生活の一部として描かれている。

キャサリンたちも、それを受け入れている。仕方ないと思っているか、内に秘めた怒りがあるのか分からないけど、表向きにはそういう社会でおとなしく生活しているようにみえる。

今はこういう差別はない、とは思わない。1960年代のようなものがなくっても、2010年代に残っているものは、あるはずだ。

根深いのは、それが問題として表面に出づらいこと。社会の中に普通に根づいてしまっている。ちょうどこの作品で、白人とそうでない人種の住み分けが普通に行われているように。

そう、これが普通の世の中だった。普段の生活の中に当たり前のようにあった。それを「よくないことだ」と言う感覚を鈍らせるような日常感。この作品を観る時には、まずこの視点を持たなければならない。差別が普通にあった社会なんだ、と。

さあ、ここからなんです! そんな社会に不満を持ちながらもそれを受け入れ、立ち向かっていく姿は痛快! 黒人同士、時には白人の支えもありながら、徐々に社会的地位を獲得していく女性たち。

今の社会に不満はある。でもそれについて文句を言っていても仕方ない。窮屈な中で自分の生きたい方向に向かって努力し、不当な扱いを受けたら戦うさ。……ボクは、ただ権利だけを主張している闘いよりもずっと地に足がついていると思ったよ。

音楽はファレル・ウィリアムス。素晴らしい楽曲で作品を彩る

そして、観ている間じゅうハッピーな気持ちになっていたのは、彼女たちの生き方だけではなく、流れていた音楽の力。

エンドロールで、使われている楽曲の数々をみてビックリ! どの曲もファレル・ウィリアムスのパフォーマンス。1960年代当時の懐かし楽曲の数々じゃなかったのか! この作品のためにつくられた曲だったのか!

なるほどなあ。ファレルの曲だから、こんなにハッピーな気持ちになれたのか。音楽の力は、偉大。