折出けんいちのウェブサイト

名古屋を中心に活動する、ラジオパーソナリティー/スポーツアナウンサー/声優/朗読家。

「デジタル・アーカイブの最前線」で保存の最新技術を知る

世の中はすっかりデジタルが浸透しましたね。音楽を録音するのも、カセットテープからMDになり、ハードディスクやメモリーカードと、どんどん変わっていきました。カセットテープをひっくり返すという行為が分からない人もいる、ってことを知った時にはちょっと時代の差を感じたなあ。

なぜカセットテープをひっくり返すのか。それはカセットテープが熱を持ってしまうので、冷却のためなんですよね。…ウソです。反対側の面も録音できるからなんですよ。A面に録音したら、B面へ。

デジタルに残せば安全…ではない

デジタル媒体に記録することができるようになった当時、言われていたのが「キレイなまま、永久的に残す」ということ。アナログ媒体だとコピーを繰り返すたびに劣化してしまうんだけど、デジタルにはその心配がない。機械を買って、持っていた音楽や映像を一生懸命、デジタル化してました。

ところが、何年か経った時に、デジタル媒体に記録していても永久に保存できるわけではないことを知ったんです。きちんと保管していないと、ディスクが腐食するらしいですね。デジタルデータは機械に読み込めなくなったら終わり。貴重なデータを記録していたものが、ただの板になっちゃう。

あと、デジタルデータは一瞬で消去されたり、破壊されたりする。貴重な思い出のものが一瞬に消滅…というのはSFチックだけど、泣くに泣けないよね。個人でもそんな気持ちになるんだから、貴重な資料を保存しているんだったら、もっと大変だ!

「デジタル・アーカイブの最前線」

デジタルに記録して劣化を防ぐのはもちろんだけど、記録したデータが消えないようなメンテナンスもしなきゃいけない。でないと、この10年から20年の文化的資料がまるごと失われてしまう…と書かれていたのが「デジタル・アーカイブの最前線」。


デジタル・アーカイブの最前線 (ブルーバックス)

「今から100年前の貴重な映像です」という資料が残っているのも、アナログな修復ができたから。今から100年後の2115年にそういうことができるかどうか…。データは一瞬で消えてしまう、再生できる装置がなくなってしまったなど、再生できない恐れは十分にある。

数百年とか数千年経ち、2000年代が江戸時代のような感覚で捉えられるようになった時、デジタルの記録が消えてしまっていたり見られない状況だと、全く分からなくなってしまうのだ。

ほら、何か天変地異があって、磁気に保存してたものがふっとんじゃうってことも考えられるでしょ? 保存していた何十年ぶんのデータが一発で消える、という恐れもなくはない、生活の大部分をデジタルデータに保存している現代は、とてもリスキーな時代とも言えるのです。

生まれてから死ぬまでのことが記録にハッキリ残っているのも、それはそれで辛いかもしれない。適度に忘れて、適度に思い出補正される方が精神衛生上いいかもしれないよね。

-