明日からJリーグが開幕します。今シーズンも名古屋グランパスのリーグ戦ホームゲームをラジオで実況します。ええ、実況もしてるんですよ。今年で11シーズン目なんですよ! こういう機会を与えてもらった、コミュニティFM局のラジオ・ラブィートには本当に感謝してます。

昨シーズンからグランパスは風間八宏監督になりました。実況するときに監督の考えも知っておいた方がいいだろう、と思って読んだ「伝わる技術(講談社)」。

選手の頭が変わらなければ、監督がいくら言っても伝わらない。グランパスに来て選手の頭を変え、伝わるように意識改革をしたのが風間監督が昨シーズン行ったことだった。

これを読んで記憶からよみがえってきたのは、プレーオフの準決勝、ジェフ千葉戦の3点目。あんな大一番で冷静に相手を崩すプレーができたのも、普段からの練習の成果だったんだな。

この動画の3分4秒からのシーンね。こんな大きな試合でできるなんて、グランパスも成長したなあって思ったんです。ここまで自信のあるのは久しぶりに見た気がしたよ。数年前は、試合中にどうしていいか分からないかのようなパスまわしをしていた印象があったからなあ。

今シーズンはふたたび舞台をJ1に戻しての戦いです。選手が変わってきたことは昨シーズンの終盤でみせてくれました。新しい選手が加わって、どういう戦いをみせてくれるのか楽しみだ!

ボクは昔、アナウンスの読み方やラジオでしゃべることを教えていたけど、その時のことも思い出した。本人が分からないと、いくら教えてもしょうがない、って。

ここは半拍空けて、ここは半音上げて、なんてテクニックを教えたって、うまくなるのはその原稿だけ。応用がきかないんですよね。だから「伝わるように読んで」って言って、あとは「うーん……」くらいしか言わない。

伝えるにはどうしたらいいのかってことを簡単に言ってしまえば、間の取り方と音の上げ下げなんですよ。原稿の内容を見て、こうやって伝えればいいかなってことを決めれば、適切に間をとったり、音の上げ下げをするだけ。

これが自分で分からないと、読めない。分かったら伝えられる、っていうのは、この本に書いてあることと同じだなあ。