TOHOシネマズ名古屋ベイシティで「メッセージ」を観る。コミュニケーションの尊さとSF作品としてのおもしろさ、両方を味わう。

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映画『メッセージ』 | オフィシャルサイト | ソニー・ピクチャーズ

巨大な球体型宇宙船が、突如地球に降り立つ。世界中が不安と混乱に包まれる中、言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)は宇宙船に乗ってきた者たちの言語を解読するよう軍から依頼される。彼らが使う文字を懸命に読み解いていくと、彼女は時間をさかのぼるような不思議な感覚に陥る。やがて言語をめぐるさまざまな謎が解け、彼らが地球を訪れた思いも寄らない理由と、人類に向けられたメッセージが判明し……。

引用元:映画『メッセージ』 – シネマトゥデイ

コミュニケーションが取れるのは、膨大な数の問いかけの上に成り立っている

この作品、すごく興味があった。未知の生命と、どうやってコミュニケーションをとるのかということに。相手も何か言葉を持っているようだ。でも、まったく分からない。さあ、どうする?

今の地球ではほとんど、こういうことは起こらない。通訳を介せばコミュニケーションをとることが可能だ。大航海時代だったらあったかもしれないな、相手の言葉や文字がまったく分からなかったということが。

相手の言葉を探るのは、ものすごく地道な作業の繰り返しなんだね。「あなたが地球に来た目的は?」と聞くために、相手の「あなた」「が」「地球」「に」「来」「た」「目的」「は」に相当する言葉を見つけないといけない。

何回も何回もトライして「どうやらこれが『あなた』って単語みたいだ」ということが分かってくる。ほかの単語も、ものすごい数の問いかけをして、あたりをつけていく。

相手を本当に分かろうとしなければできない行為だ。コミュニケーションができることの素晴らしさを、この作品で思った。ひとつひとつの言葉を大事にしよう。

そして、ふっと入ってくる、SFとしてのおもしろさ

それでも、ルイーズはなんで言葉の解読ができるんだろう? 言語学者とはいえ、ちょっと分かりすぎるんじゃない? ……と思うところからSFの領域に入ってきて、その理由も示される。

ラストシーンは、ちょっと切なかったな。全部を受け入れて、それでも選択するという切なさ。観終わると、心の中にやや苦味が残ったな。嫌な味じゃないんだけどね。