109シネマズ名古屋で「怪盗グルーのミニオン大脱走」を観る。これは、あれだね、ヤッターマンだね。

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映画『怪盗グルーのミニオン大脱走』公式サイト 大ヒット上映中!

いろいろなガジェットを使い犯罪を繰り返すバルタザール・ブラットを逃したことで、反悪党同盟を追い出されてしまうグルー。意識消沈する中、生き別れになっていた双子の兄弟であるドルーの存在が判明する。対面を果たしたグルーは、豊かな金髪に輝く笑顔で父親からばく大な遺産を受け継いだ、自分とは違い過ぎるドルーに驚く。一方、グルーが悪の道に戻らないことがわかり彼と決別したミニオンたちは、新たなボスを探す中で思わぬ事態に……。

引用元:映画『怪盗グルーのミニオン大脱走』 – シネマトゥデイ

ブラットに感じる近親憎悪

エイティーズは遠くになりにけり。80年代の曲がいろいろ流れるんだけど、それにちっともワクワクしない。それはボクが、今回の悪役のブラットにちょっと近いものを感じたから。

いつまでもそこにいる、大人になりきれない、っていう因子が、ボクにもあるかもなあ、と思うと。笑えるものも笑えない。マイケル・ジャクソンの「BAD」が、あんなにカッコ悪く思えるなんて。

「BAD」のリリース当時に、この曲をこんなにカッコ悪く扱っていただろうか……って思ってたんだけど、あ、アル・ヤンコヴィックが「Fat」って曲をつくってパロディーにしてたっけ。

しかし、デジタルで80年代を再現するのは、ちょっと不思議な感じ。こういうデジタルフィルターをかければ古いフィルムのような質感になるよ、っていうテクニックがあるかのようだ。ボクが小さい頃に見ていたテレビのような感じが、再現されている。

何も残らない! そうだ、これはヤッターマンだ!

というような気持ちが混ざっているところに、ボクの心に落ちてきたこと。この作品は、タイムボカンシリーズだ! ヤッターマンだ! そう思ってしまうと、ミニオンたちがビックリドッキリメカにしか見えなくなる。

さらに、この作品を観終わって真っ先に思ったのは「うわあ! 何も残ってない!」ってこと。どんな内容だったのか、どんな印象を持ったのか、具体的に思い出そうとしても、何もない。ただ残ったのは「楽しかったなあ」という、プラスの気持ち。

このあたりも、タイムボカンシリーズに似てるね。毎週毎週楽しみに観てたけど、ひとつひとつのお話がどうだったかっていうのはほとんど覚えていない。ただ、悪玉がムチャクチャなことをして、善玉にやっつけられて、その中にギャグが散りばめられていたという「楽しい雰囲気」しか覚えてない。

タイムボカンシリーズと同じように「なんかさっぱりしたものが飲みたいなあ」と思ってサイダーを飲むような、そんな清涼感があったのが、この作品だったのです。

タイムボカンシリーズを観ていた時のワクワク感と同じだ

つまり、観ていて楽しい。このシリーズでおなじみになったキャラクターたちに加えて、新しく出てくるキャラクターたちが、それぞれ勝手に動く。そういう独立したストーリーが、大きなストーリーになっていく。

今の時代のテンポで、ギャグを入れながらショートストーリーがポンポン進んでいくのが、この作品。そして、クライマックスはタイムボカンシリーズのメカ戦のよう。毎週土曜日を楽しみにしていたあの感覚を思い出しました。