109シネマズ名古屋で「味園ユニバース」を観る。渋谷すばるサンの歌声で、一気に持っていかれる。説得力を持たせるために、失敗できない演出で勝負に出た。それが大成功。

映画『味園ユニバース』 大ヒット公開中

大阪のとある広場でバンドがライブをしている中、記憶を失った若い男(渋谷すばる)が舞台に乱入し歌を披露する。ざわつく会場で鳴り響いた男の歌声は、周囲の人間を圧倒する。彼の才能に興味を抱いたバンドとマネージャーのカスミ(二階堂ふみ)は「ポチ男」とあだ名を付け、スタジオで働いてもらうことにする。やがてバンドのボーカルに迎えられたポチ男は、喪失した過去の記憶をたどっていき……。

引用元:映画『味園ユニバース』 – シネマトゥデイ

「周囲の人間を圧倒する男の歌声」ってのがこの作品には必要なのです。それを見事に渋谷さんがやってのけている。これはぜひ、聞いてほしいなあ。

さらに、渋谷さんの演技、特に目の印象が強かった。記憶がない時は目に力が入ってないし、物語の後半の目は明らかに前半とは違う。渋谷さんをずっと観ているだけで楽しめた。

二階堂ふみサンをはじめ、他のキャストも大阪の街に溶け込んでいるし、バンド「赤犬」の演奏も素晴らしい。実際に「ユニバース」でもライブをしているんだよね。全体的に大阪の香りがするのは、舞台が大阪というだけじゃなくて、大阪で生活をしている人が多く出ているからなんだろうな。

人と人との距離が比較的近く、いい意味で「ごった煮」の感じがする街、大阪。そんな街の空気を感じ、香りを楽しめる作品。…そうだ、これ観た時、シアターは100人くらい人がいたけど、男はたぶんボクひとりだったよ。もったいないなあ、男の匂いがプンプンする作品なのに。