109シネマズ名古屋で「パッセンジャー」を観る。サヴァイヴァルものじゃなかった。ラブロマンス、ヒーローアクション、全部入りだった。そして、それだけじゃない重いものがずっと、心に留まっている作品だった。

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映画『パッセンジャー』 | オフィシャルサイト | ソニー・ピクチャーズ

近未来、5,000人を乗せた豪華宇宙船アヴァロン号が、人々の移住地に向かうべく地球を出発。到着までの120年、冬眠装置で眠る乗客のうちエンジニアのジム(クリス・プラット)と作家のオーロラ(ジェニファー・ローレンス)だけが、予定より90年も早く目覚めてしまう。絶望的な状況を打破しようとする二人は、次第に思いを寄せ合うものの、予期せぬ困難が立ちはだかり……。

引用元:映画『パッセンジャー』 – シネマトゥデイ

クリス・プラットの雰囲気で、ふわっと軽くなる空気

ボクの中では「宇宙で生きる軽い男を演じさせたらナンバーワン」だと思っているクリス・プラット。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の印象でしかないんですけど。

この作品、クリス・プラットが演じてよかった。宇宙船の中でひとりぼっちという、どう考えても深刻なシチュエーションだけど、彼が演じていることで少し、観ているこちらの肩の力が抜ける。

単なるサヴァイヴァルものじゃないんです、この作品

いろんなジャンルが入っていて、単純な漂流記ものではなかった。オーロラと過ごしているシーンは、まるで甘いラブロマンス映画を観ているようだった。

でも、観ているこちらは幸せな気持ちにはなれなくてね。それはもう、この作品を観てもらうしかない。ボクもずっと「幸せだ。でもなあ…」って思ってたもの。

ジムの行動を許せるかどうか

内容に触れられないから言うのが難しいんだけど、ジムに対して「それはしょうがない」って思った。絶望的な気持ちになってからそれを受け入れ、生きることを続けていくという時間の長さは、正常な気持ちではいられないはずだ。

一生懸命生きているのに、邪魔しやがって! と思うこともある。でも、それって、時間が経ってみると「なんでそんなこと思ってたのかな」というくらい、些細なものになってしまっていることがある。

自分も「これで食っていってやろう」と思い、いろんなものを捨ててきた。それに後悔はないけれど、そこまでストイックにやっていなくてもよかったのかな、という気持ちも、少しずつ出てきた。

遠くを見ていると、近くのことに気づかない。そういうものだよなあ…と、この作品を観ていて思ったけど、そんなことでは到底片付けられない問題なんだけどね。

自分がジムの立場になった時、オーロラをどうするか。それをテーマにしても十分語り合える作品だ。