午後から事務所でレクチャー。今まで文法的な観点からのアプローチはしなかったんだけど、きょう始めてやってみた。結果、教えるボクも楽だったし、聞いている方も分かってくれたのではないか…と思う。

朗読の教科書」という本を買ったんです。そこにあったのが、主語と述語のような文法からのアプローチ。ボクも知っていましたが、こんなにきちんと体系づけている本は初めて読みました。朗読が生み出すリズムのことについては、ボクも知らなかったし。朗読ライブで実践してます。自分でも読み方が変わったこと、分かります。

文法的なアプローチ、これまで何年も教えてきているレクチャーではしてきませんでした。そういうことをひと通り勉強してきた人向けのものだったので。

去年からはそれとは別に、一から勉強するための人向けのレクチャーを始めています。呼吸法や発声など、声づくりの分野は厚めに、原稿読みはそれぞれの感性にある程度任せて自由に読んでもらっています。

でも、ふと気づいたんです。「あ! そうか、このままだと『原稿に記号をつける』ってこと、知らないで終わっていくんだ!」って。声づくりのことばかりに気が行っていて、原稿を読むための準備のことは放ったらかしになってました。

朗読の教科書」は、発音や滑舌のことよりも、文章の内容をどう解釈して、どう読むかということが書かれています。ボクに足りなかったのは、こちらからのアプローチ。で、きのうのレクチャーでは、渡してあるテキストにある原稿を使ってこのあたりを教えました。

結果、劇的に読みが変わる…なんてことはありませんでした。みんなそこそこ読める人ばかりなので。でも、無意識に取ってしまうポーズが文章の意味のつながりを壊してしまうってことは分かってもらえたと思う。自分の指導ポイントに、声のことや滑舌のことに続いてもうひとつ、文法的なことを教えることが増えました。