NHK BSプレミアムで放送された「密着!秋元康2160時間 エンターテインメントは眠らない」を観ました。一番ビックリしたのはAKB48のシングルが作られる様子。だって、PVを作るのに、振付もなければ歌詞もないんだよ! メンバーが集まっても、歌うものがまだできてないんだよ!

普通は歌詞もボーカルも入った曲ができてからPVを作っていくんだけど、AKBのシングルはアレンジされた曲があるだけ。歌詞・振付・PVがほぼ同時進行で作られていく。

アレンジされた曲をもとに、PVの映像監督がイメージを作ってロケ地を探す。歌詞がないから、曲の世界観がはっきりていない状態で。そして、撮影が始まる数時間前に歌詞ができて、仮歌を録り、振付が決まる。時には撮影が始まっても歌詞が決まっていなくて、撮影現場では「できるところ」から撮影していくことになる。歌詞・仮歌・振付・撮影がほぼ同時進行で進んでいくんです。しかも、それが複数の現場で行われている。

そのやりとりにメールが大活躍。歌詞が送られてくることはもちろん、仮歌が入った音源が撮影現場に送られたりしていたかもしれない。こんな同時進行ができるのはネットワークが発達したからでしょうね。

ビジネスでも「資料をメールで送っておきましたので」という連絡が多くなってるけど、あの密度を究極に濃くした感じ。プレゼンをする日、いや、している途中に新しいパワーポイントの資料が届いて差し替えながら説明している状態ですよ。ネットがなかったら、こんなスピードで仕事は進まないなあ。

そして、その状況を楽しんでいるかのような現場のスタッフ。キツイ状況、限られた条件でなんとかしてやるっていう気持ちがみなぎってるんですよ、みなさんが。こういう人達がプロであり、職人なんでしょうね。

逆に言えば、そういう状況を楽しめるのがプロなのかもしれない。仕事が進まない状況に対して「どうすんだよお!」と言っているようでは、まだまだなのかも。ボクがあの現場にいて、時間がない状況でもバタバタしないのはやっぱりブースに入って声を出してる部分を担った時だろうな。