俳優の納谷悟朗さんが亡くなった、という報をTwitterで知る。ボクはやっぱり、ルパン三世の銭形警部役が印象に残ってます。ルパン三世の声を演っていた山田康雄さんと最後に共演したのは、1994年のテレビスペシャル「燃えよ斬鉄剣」までさかのぼるのかあ。Wikipediaの納谷悟朗さん山田康雄さんの項を読むと、おふたりは声優ではなく俳優であるという気持ちだったんですね。

声だけではあっても、演技。身体表現なくして声の表現はできない、という思いから「声優」と呼ばれるのを嫌がっていたそうですね。演技をしているのだから「俳優」である、と。

ボクも声の仕事をしていますが、入口はラジオでした。なので、演技というよりもトークの方に憧れていたんです。でも、仕事でCMナレーションやアフレコでキャラクターを演じなきゃいけない時には、演技が必要になってくる。書店に行って、声と演技の本をいろいろ買いましたよ。

読み進めていって、声の表情づけと身体表現は一体だってことを知り、何年か経って、それを声優になりたいと勉強する高校生に伝えてきました。専門学校で教えていた時は、声優になりたい生徒との接点がなかったので、そのメソッドは使えなかったけど。

いつからか「声優」というものが独立してきましたが、本来は「俳優」がやっていたものです。なので、今、俳優がアニメのアフレコをするのは間違ってないのかもしれないなあ。あと、声優さんが舞台に立つのも、納谷さんや山田さんたちから、神谷明さんや古谷徹さんたちへ、そして今の世代へと脈々と続いている教えなのかもね。