雨の予報が出ていた6月15日、水曜日。週の真ん中、水曜日。
会期のほぼ真ん中、6月15日。前々から愛知万博に行くなら6月だなあと
思ってましたが、人ごみを避けて行くのにこんな絶好の機会はない、
ということでまるっと一日愛知万博に行ってきました。

とは言っても、愛知万博についてはもともと
「情報を仕入れずにどこまで遊べるか」ということをやりたかったんで、
全くノープラン。ただ、ラーメンズの「アリス」公演の「バニー部」というコントで
「バニー部は愛・地球博の瀬戸会場のみを応援します」と言っていたから
それに倣って瀬戸会場から長久手会場に入り(たぶん瀬戸会場は
なかなか話題にならない、ということを笑いにしたんですよ)、
万国博覧会なんだから外国館を見て回ろう、ということだけ決めて、
いざ、エキスポシャトルで万博八草へ。


瀬戸会場ゲート万博八草からシャトルバスで瀬戸会場に到着。
シャトルバスは5分待ち、というか、バスが来るのを
待っていたので、体感として待ち時間はなし。
瀬戸会場に着いたのは午前10時だったけど、
並んでないねえ。すぐ入場できるねえ。
さすが雨の水曜日、会期もほぼ真ん中。
予想通り人は少ないなあ。作戦大成功。
自分のペースでゆっくり観てまわれそうだ。

地面はやわらかい瀬戸会場についてすぐに感動したのは、
瀬戸ターミナルの地面がとってもやわらかいこと。
これはもう、土の感触。
それでも、雨降ってても水はけがいいので
歩きやすい。きっとなにか技術が
使われてるんだろうな。
いやあ、さすが環境のこと考えた万博。
足に負担かからないね。

瀬戸日本館それにしても、ホントに情報なしで
来てるから、右も左も分からない。
どこになにがあるかも分からない。
トコトコ歩いてると「瀬戸日本館の整理券を
お配りしております。すぐ入れます」という声がしたので
何もわからずに整理券をもらう。
開演時間は20分後。その間に瀬戸会場を
見て回ってから瀬戸日本館に並び、
群読 叙事詩劇「一粒の種」を観た。
これがボクには大当たり! 自然とともに生きる日本人の知恵・技・こころから
生まれた言葉の数々を15分に集約して詩的劇にしたんだけど、言葉を仕事にしてる
人間だったら間違いなく言葉のパワーを感じることができるはず。もちろんみんな
何かを感じることはできますよ。見学に来た賑やかな小学生の一学年と
一緒になっちゃったけど、食い入るように観てたもん。
すいませんが、あたしゃ感動して涙流してしまいました。泣いてないやい! って、
ごまかすの、苦労したなあ…。

FCHV瀬戸愛知県館も観て、長久手会場へ。
ところが、長久手会場を結ぶ
モリゾー・ゴンドラはこの一週間定期点検中で
乗ることができないということ。
長久手会場へは燃料電池バス(FCHV)で
移動した。車内のモニターでは
FCHVの紹介が流れてたけど、この映像が
終わると同時に長久手会場に着いた。
時間が計算されてるみたいで、気持ちいい。
あ、今見たらバスのナンバープレート、20-05だ。2005年仕様かなあ。

トヨタグループ館整理券待ち北ゲート近くの
FCHV用ゲートから中に入って
出迎えてくれたのは、人、人、人…。
トヨタグループ館の整理券待ちで
並んでいるらしい。配布時刻は午後2時。
今は…12時40分。…えー? 1時間以上
待ってんの? ボクはいいです…。
ボクはその1時間で他のところ観たほうがいいと思っちゃうタイプです…。

長久手会場わあ、長久手会場は賑やかだぁ。
こりゃあバニー部が瀬戸会場だけ
応援する気持ちも分かる。
でも、小林賢太郎が見たいのはきっと
こっちの会場の企業パビリオンだと
思うんだけど…。そりゃあボクだって
見たいけど、いっぺんに全部見るのは
無理というもの。なにしろインターネットでできる事前予約だって、会場に来て
「ああ、そんなのあったなあ」と思ったくらい万博情報を
仕入れてなかったんだから。とりあえず今回は外国館を観て回る、
グローバル・コモンめぐりだ。

インド館グローバル・コモン1は
(ぐろーばる・こもん・いちって読みます。
「いち」を「ワン」って読まないのは
なんでだろう? ボクは変だなあって
思っちゃうんだけど)アジアの国が
集まってる。サウジアラビア館の出口で
CDもらって(家族に1枚どうぞだって。
太っ腹!)イエメン・カタール・イラン・バングラデシュ・パキスタン・
スリランカ・韓国・中国・モンゴル・ブータン・中央アジア共同館・ネパール・
インドと全て回る。インド館ではマリーゴールドがお出迎え。

ここで問題発生! この時点ですでに3時半を回っている。
このペースじゃ一日で回ることは微妙。まあ、かなり残ったら次の日に
見に来ればいいか、休みだし、という軽い気持ちでグローバル・コモン2へ。
こちらは北・中・南アメリカのグループ。カナダ館は最初のガイドの説明を
きちんと聞かないと魅力がかなり落ちてしまうので注意。
国際赤十字・赤新月館はこの時点で40分待ちだったのでパス。
中米共同館を観て、アメリカ館。前半はベンジャミン・フランクリンが
案内するんだけど、ちょっとしたテーマパークみたいな仕掛けがしてあった。
このあたり、さすがアメリカ。

セグウェイアメリカ館の後半は
最先端の技術を見せてくれたんだけど、
案内してくれた人が乗っていたのが、これ!
セグウェイですよ、セグウェイ!
いやー、ここで生セグウェイを見るとは
思わなかった。さすが万博!
それにしても、この人、
セグウェイ紹介する時に「ジロジロミルナ!
ボクガ、ソンナニ、メズラシイノカ!」と逆ギレ芸を
見せてくれたんだけど、あんたは青木さやかか。
見た感じはカンニングの竹山だけど。

近未来カーそのほか、アメリカ館の出口には
こんな近未来フォルムの車が置いてあった。
このあと、アンデス共同館・アルゼンチン・
EXPOギャラリー・ドミニカ・メキシコ・
OECD館・国連館・キューバ館と観てまわった。
次は、グローバル・コモン3。
ヨーロッパの国々が集まってる。
ここでもう6時近い。観きれなかったところは次の日にしようという気持ちが
強くなってきた。

イタリア館それぞれのグローバル・コモンには
だいたいの待ち時間が表示されてるんだけど、
グローバル・コモン3ではドイツ館が
抜きんでて長い。5分から10分待ちの
パビリオンが多い中、ドイツ館は60分。
パビリオンの開館時間が3時間を
切ってるこの時間ではもったいない。
なので、ドイツ館はパス。イタリア館に入ると、球体のオブジェがお出迎え。
1998年に発見された紀元前4世紀のブロンズ像「踊るサテュロス」もしっかり観る。
エアカーテンで保護されてるのでガラス越しとは違う感覚で観ることができる。
こういうものって厳重に覆われてることが多いだけに見ごたえがある。ただ、
あまりにも無防備に見えるんで「…レプリカ?」って思っちゃったけど。
観る方の意識改革も必要だなあ。

ギリシャ館リビア館を観て、クロアチア館へ。
クロアチア館は事前に渡されるパンフレットを
並んでる間にしっかり見ておくのが吉。
ただし、もらえるものはA4より一回り大きいので
カバンがないと、そのあとずーっと
手に持つことになる。小さいカバンで行ったから、
ちょっと不自由した。あと、案内役の現地の人は
ほとんどしゃべらない。クロアチア人は
シャイなんですか? ってそれ以上にシャイであろう
ボクが言うのもおかしいけど。そのあとのギリシャ館は見せるパビリオン。
ブルーのライトに歴史的な建造物を思わせるオブジェが映える。

トルコ館モロッコ、ヨルダン、
ボスニア・ヘルツェゴビナ、
チュニジアをまわった後のトルコ館では
幾何学模様がテーマ。そんな模様を
あしらったアーチが印象的。
グローバル・コモン3では
色彩豊かなパビリオンが多かっただけに、
トルコ館はちょっと引き締まった印象を受けた。隣のブルガリア館は、まあホントに
カラフルなこと。スペイン館はきちんとスペインという国が分かるつくりになっている。
その中に、サッカーの優勝トロフィーが飾ってあったのを観た。
サッカーが国民アイデンティティのよりどころになっているのかな。
そういえば、ほかにサッカーを押し出していたのは、アルゼンチン館くらい
だったかなあ。

フランス館グローバル・コモン3の最後は
フランス館。入った時に渡されるロードブックが、
これがまたデザイン性があって、
おしゃれなつくり。「持続可能な開発」を
テーマに、開放的で柔らかな空間が
つくり上げられている。こうやって空間を
プロデュースできるのはうらやましい。
ボクはこんなこと、できないもの。イマージョンシアターでは、今の地球が抱える
環境や貧困といった問題を15分の映像で見ることができる。床と壁に異なった
映像が流れるので、圧巻。今回の万博では白い床や壁に映像を映すパビリオンが
多かったけど、ボクはフランス館のものが一番よかったし、環境や貧困といった
テーマがダイレクトに響いたなあ。
さて、次は…とマップを見ると、グローバル・コモン5がここから一番近い。
アフリカの国が集まっているここは、パビリオンの数も少ない。…ってことは、
ここをクリアすれば今日中に全部いけるってこと?よーし、作戦変更!
今日中に残りのグローバル・コモンを観てまわってやる! ということで、
グローバル・コモン5のエジプト・南アフリカ・アフリカ共同館を観てまわる。

グローバル・ループ…えー、グローバル・コモン5を
観終わったところで、午後8時です。
パビリオンの開館時間はあと1時間です。
それぞれのパビリオンを結ぶ
グローバル・ループも人が少なくなってます。
急いでグローバル・コモン4、
ヨーロッパの国々のパビリオンが
集まっているところに向かいます。残っているのは2つのグローバル・コモンなんで、
ひとつあたり30分で観る計算です。できるんでしょうか?

イギリス館着いたぁ、グローバル・コモン4…。
歩いてくると、遠い…。限られた時間なんで、
さっそくコーカサス共同館を観たあと
オランダ館、チェコ館を
観たところで、そろそろ時間がなくなってきた。
あと20分くらいでグローバル・コモン6に
向かわないと間に合わない。
あと、どこがいいかな…。
あ、イギリス館がよさそう。木が植わっている
森のような庭がある。入ってみると、やっぱり気持ちいい。気温は上がってないんで
過ごしやすいし、夜だからライトアップされててきれいだし。
いろいろ観たいところはあったけど、ポーランド館のビリエチカ岩塩坑は
きちんと観た。とはいっても、偶然入って観ることができたんだけどね。
ああ、時間が…。残りあと30分強。
ここがEXPOドームかあ、とさらっと観て、急げ! グローバル・コモン6!

カンボジア館グローバル・コモン4から
グローバル・コモン6まで
歩いていったから、また遠いんだ、これが。
オセアニアと東南アジアの国々が集まっている。
映像で紹介してくれるところを観ると
それで終わっちゃいそうだから、
そこは避けたい。そこで、タイ館と
カンボジア館を観た。カンボジア館では寺院がライトアップされていた。
昼間に来て、太陽の光がある外からこのパビリオンに入る印象と、
今のように夜に来て外が暗い中入る印象とではたぶん違うんだろうな。
外と中が同じ程度の明るさになってるから、パビリオンに来ました、という
印象ではなくふらっとカンボジアに来ました、という感覚になるのは不思議だなあ。

グローバル・コモン6にあるレストラン、イラ・フォルモサで食事して、時刻は9時半。
場内には「まもなく終了となります。お気をつけてお帰りください」のアナウンスが
流れ出した。いやー、最後駆け足だったけど、とりあえずまわったねえ。
ほとんど休みなくまわったから、クタクタ。あとはリニモで万博八草へ、
そこからエキスポシャトルで帰る、というルートなんだけど…。
もう一回確認しますよ。ボク、ここに来るのはノープランでしたよね?
だから、会場のどこに何があるかも分かんない状態で来てます。
言い換えれば、どこから出ればいいのかが分かっていない。
なので、リニモの万博会場駅が隣接してる北ゲートから出ないで、ぐるぅ~っと
歩いて、東ゲートまで行っちまいましたよ…。ゲートを出てさらにぐるぅ~っと歩いて、
リニモの陶磁資料館南駅まで、疲れた体にさらに追い討ちをかけるような動き。
北ゲートを目で見てから20分くらいかかったかな。ふぅ…。
きちんと出口くらいは確認しときましょうね。