ボクが教えている専門学校で体験入学があったので、講師として行ってきました。
そこに「永井一郎の『朗読のヒント』」という本があったので、
借りてきて読んだんです。朗読に必要なのはイメージ、それも自分が
そのイメージの中にいる三次元的なものでないと、的確な強弱や
イントネーション、間などで表現することができないということが書いてあって、
そうそう、ボクも教えてもらってたときにそんなこと言われてたなあ、と
懐かしくなりました。やっぱり、日本語が母国語の人はみんな
日本語を聞くプロだから、うそっぱちな表現は見抜いちゃうんだよね。
ボクが勉強し始めたとき、ほら、アクセントだ、やれ、鼻濁音だ、
それ、無声化だ、って自分の原稿にいっぱいメモしてたけど、そのときは
「お前の読みは堅い」ってずーっと言われてたし。で、えーい! って
そういうメモを書き込まないようにしたら、不思議なことに、すっと楽になって、
いろいろ表現できるようになった。もちろん基礎は大事だけど、
ホントにやらなきゃいけないことって、内容が伝わるかってことなんだよね。
…なーんてことを振り返ることができるくらい、長いことこの仕事を
させてもらってます。みなさんに感謝。