毎週日曜のお楽しみ、喫茶店で食事。起きて仕事の準備して、この喫茶店で
お昼を食べて、午後から深夜までの仕事に備えるんですね。で、この喫茶店、
ボクが行く時間はけっこう混んでることが多い。相席なんてこともよくあるんですよ。


こないだボクの前に座った方は、ジーンズにデニムのシャツ、その上に
ノースリーブのデニムジャケット。こっちはブラックジーンズに黒Tシャツ、
その上に黒シャツ。インディゴブルーの配色が絶妙な柔和な感じのおじさんと、
ブラックの配色が微妙な30男がひとつのテーブルで一緒になりました。

でも、柔和の中にも自己主張はしっかりする人と見たね。だって、
右手の薬指と左手の薬指と小指に、ごっついリングはめてたもん。
ファッションの中のそういうところに個性ってでるでしょ? で、首元には
さりげなくペンダントが光ってる。こっちは左手の中指にリング。
「絶妙」対「微妙」の戦いは、リングの数でもおじさんの勝ち。

そのダンディーなおじさん「タバコ、いいですか?」と、きちんとボクに聞いてくる。
「どうぞ」と答えると、シガレットケースにライター、それに見慣れない小物が
出てきた。一見、映画監督が座るディレクターズチェアーみたいな感じ。
それを開いて、シガレットケースから KEITH SLIM って書いてあるタバコを
取り出し、その上に置いた。へえ、タバコを置くスタンドだったんだ! 
金属のタバコスタンドに、細身でブラウンの KEITH SLIM がよく似合うこと。
おじさん、ホットコーヒーを飲み終わるとコーヒーチケットを一枚取り出して、
行っちゃった。近くに住む常連さんなんだなあ。

中学の時だったかな、そういう「さりげない自己主張」にあこがれて、
いつか自分もそうなりたい、って思ってた。ちょっとずつ近づいている、と
思いたいけど、ああいうおじさん見ると自分なんてまだまだ。
もっと自分を磨かないと。あのおじさんだって、服や小物ももちろんだけど、
それまでの生き方がプラスされて出るカッコよさだったもん。

あと、どっかの本で「不思議なモノを持ってると、そこから会話が生まれる」
ってこと読んだけど、ホントだね。スタンド見て「それ、なんですか?」
って、聞きたかったもん。ただ、残念だったのは女の人じゃなかったって
ことなんだなあ…。