朝は高校野球の実況、夕方はCMナレーター、夜はナレーションを教える人、果たしてその実体は? はい、アタシのことです。こんなことしてるから、自分の職業を聞かれても答えられないんだ。でも、声をかけてもらえるだけありがたいです。それに、いっときに比べて「話す」ということに特化してきているから「おいらの存在意義は?」とか、悩むことも少なくなりました。ちょっとだけ、テレビやラジオのディレクターもやってたんだから。ボクみたいな人間が現場に入るなんて、聖域を侵しているようで居心地悪かったなあ。こっちが勝手に思っていただけかもしれないけど。

それでも、いろいろやらせてもらったからこそ、自分が本当にやりたいことが分かったんです。自分が本当にやりたいのは、ちっちゃいブースの中に入って、カフ(マイクのスイッチのようなものね)を上げ下げすること、つまり、ナレーターだということに。それが分かってからは、あんまり迷いもなくなってます。仕事や生活も「これでいいのだ」というブレない軸ができた感じです。

「ニュースデスクをしているし、ニュースを読むこともあります。専門学校の非常勤講師をしているし、高校野球の実況もします。昔はテレビやラジオもディレクターをしていました。もちろん、ナレーションもします」って言うと、「で、結局なにしてるの?」って感じだけど、「ナレーターです。そのほかに、ニュースデスクをしているし、ニュースを読むこともあります。専門学校の非常勤講師をしているし、高校野球の実況もします。昔はテレビやラジオもディレクターをしていました」と言った方がイメージしやすいでしょ? あえてえいやっと言い切ってしまうことで、ゴチャゴチャしているものがスッとまとまるということがあるんです。これからも、自分はナレーターという軸を中心に、いろんな仕事をしていくつもりです。

高校野球の試合の風景

【写真】青空球児。漫才師にあらず