金曜日の祝日は、ことし3回目。ゴールデンウィークだったりお盆期間だったりと、大きなイベントの中に入り込んでしまう感がある。


祝日なので、局内に人はあんまりいない。しかし、いつも来られない人がスタジオの前に来てくれる。中学生3人組がやってきた。

少し前に見かけた、あの男の子がいた。あと2人は……どうだったかな。あの子のことは、きょうのパートナー、市民パーソナリティーの戸崎しょう子さんも覚えていた。

きょうは数分いて、すぐ帰った。それは全然構わない。いい天気だし、あったかいんだから、もっと他に行きたいところもあるだろう。日が傾くのが早くなってきているこの時期、屋内にいて何時間も番組を見ているのはもったいない。

あの男の子はもうちょっと見ていきたい雰囲気を出していたけど、ほかの2人に押し切られたかな。まあ、そうでしょう。興味ない人にはここより他にも楽しい場所はいっぱいある。

ラジオの公開放送を見に行くのは、世間からみれば少数派だろう。ラジオ番組の聴取率をもとに、学校のクラスで何人がラジオを聞いているかを割り出してみたことがある。その数字は、自分が学生だった時の感覚と変わらない。少人数のグループもできないくらいの、超少数派。

公開放送をしているから、友達を誘って見に行こうといっても、その友達は興味ないことは間違いない。ラジオってそんなもんよ、と言っていたパーソナリティーの声は今でも覚えている。それはラジオがダメかっていう話では全然なくて、これだけいろんな娯楽がある現代ではかなり健闘している方だ。

来てもらった人をどれだけ楽しませるかが大事。そうすれば、興味をもってもらえるかもしれない。それは公開放送をしているパーソナリティーの技量に関わる。

密室から放送をするより、人が見ている場所で放送をした方が、広告宣伝の効果はある。それに加えて、来た人が楽しんでいってもらえるかどうか、何か仕掛けができないかよく考えている。

こっちからコミュニケーションを取りにいくことも考えたけど、放送とのバランスを取らなければならないし、来てくれた人って、実はテンションはそれほど高くない。番組が進行してきているテンションとはどうしても合わないから、なかなか難しい。

結果、意識はするけど目は合わせない、なんて感じになってしまう。なんかもったいない。ここでいい体験をしてもらえればラジオって存在を知ってもらえるかな、と思うんだけど、なんかうまくいかない。

まあ、普通にやっていればいいのかな。それを楽しんでもらえばいいのだろうか。そうか、檻の中に入っている動物の感覚でいこう。あれは見ている人のことなんて考えていない。そうか、客寄せパンダとは、よく言ったものだ。たぶん意味は違うんだろうが。