言葉をしゃべる商売をしているので、体に入っていない言葉を使うのは気持ちが悪いんです。

だから「山口達也メンバー」という言い方が気持ち悪い。「山口達也さん」でいいんじゃないですか?

報道する時に参考になる「記者ハンドブック」では、肩書か敬称が原則。

共同通信社が発行している「記者ハンドブック」は、被疑者の呼称について、以下のように記している。

実名を出す場合の任意調べ、書類送検、略式起訴、起訴猶予、不起訴処分の場合は『肩書』または『敬称』(さん・氏)を原則とする。

引用元: 強制わいせつ報道「山口達也メンバー」にネットでは「暗黙のルール」と指摘。実際は…

だから「書類送検されたTOKIOのメンバー、山口達也さん」という表現で問題ない。

事件の重大性を考えて、肩書で報道しようとしてるんだろうけど、もともと、タレントには肩書はないですよね。

ないものを無理やりつけようとするから、気持ちの悪い表現になる。「○○メンバー」「○○司会者」「○○タレント」なんて、言わないじゃないですか、普通は。

放送局でも、こういうケースは悩ましいもののようです。

道浦俊彦/とっておきの話(◆ことばの話426「稲垣メンバー」の項)

道浦俊彦/とっておきの話(◆ことばの話1960「紳助所属タレント」の項)

擁護するわけじゃない。悪いものは悪い。でも、伝える時は違和感のないようにすることも大切なんじゃないかと思うのです。

あってほしくないけど、また何年後かに「メンバーだって! 変な言い方!」って言われるんだろうなあ。もしくは、そういうものだ、って定着するんだろうか。

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