日本特殊陶業市民会館で、小林賢太郎演劇作品「ロールシャッハ」を観る。2年前に大阪で観たものの再演。その時よりもスリムになってましたよ。

久ヶ沢徹さんの大暴れ、辻本耕志さんの小暴れ、ポイントで笑いを打ち込んでくる小林賢太郎さん、そして、その3人を引っ張っていく竹井亮介さん、と小林賢太郎演劇作品ではおなじみの人たち。なので、このお話のおもしろさをはずすことなく演じられていく。

今回の再演では「ここからは出ないようにしようね」という感じ。もちろん、その「ここから」っていうのがとんでもないラインなのですが。ボクが観た回では、アドリブ的な部分はずいぶん減っていた気がしました。そのぶん話の筋がしっかり見えて、言いたいことがしっかり伝わってきました。

「ロールシャッハ」をキーワードにして、小林賢太郎さんのマジックがかかっていく舞台。言葉やビジュアルで魅せられていく中に浮かびあがってくるのは、嫌な自分を認めた先にある強さ。

小林さんが「この作品は、もっともっと大きな可能性を秘めている」と言っていたこともうなずける。自分を変えることって簡単にはできない。なら、それをプラスの面で見ていた方がしあわせに暮らせるんだよね。マイナスの面で見ていても仕方ない。コインの表と裏なんだから。