テレビ番組の「中居正広のミになる図書館」で、滑舌の美しさを競う回があります。早口言葉のような原稿を読み、どっちがきれいに読めたかを1対1で競うんですけど、ボクが「あっ」と思ったところが審査員の減点対象となってました。よかった。人に教えている立場でもあるんで、聞き取れなかったらまずいなあと思ったんですよ。

で、この滑舌なんですけど、アナウンサーやナレーター系の声のお仕事には必要ですけど、役者系の声のお仕事にはあんまり必要じゃないんじゃないかとボクは思ってるんですよね。

もちろん、役者系の声のお仕事でも「何言ってるか聞こえないよ!」ではいけないんですけどね。日常会話の日本語を理解できる人が聞き取れる滑舌であれば、そんなに求めなくてもいいんじゃないかなあ。

滑舌のトレーニングって、やたらと口を動かすイメージがないですか? 「ア」は指が縦に3本入るくらい大きく開けて、「イ」は口を横に開けて…って。確かにそういうイメージを持っていてもいいと思うんだけど、真面目な人ほどしっかりやり過ぎちゃって滑舌が固くなります。

それに、口が大きく開きすぎてる人って、自然にしゃべってる感じがしないですよね。滑舌を意識しすぎて腹話術の人形みたいになっちゃってる人を見ると、きれいじゃないなあって思います。

滑舌って口の動きも大事だけど、舌の位置とか、息がどこに当たってるかの方が大事なことが多いです。滑舌の勉強していて困ってる人は、そっちにも気を配ったほうがいいですよ。