AIアナウンサー「ナナコ」「Da Capo」の話を聞きました。

和歌山市のコミュニティFM、バナナエフエムで運用されている、音声合成で原稿を読み上げるシステム。

24時間アナウンスをすることが可能。人間が24時間のアナウンスをすることはできない。いつ休むの? 曲の間に休むことを想定したって、24時間やることはできない。そんなに気を張ってられないし、起きていられない。

交代でアナウンスをするにも、人員が必要だし、アナウンスできる人がそろうとは限らない。そういう、人間の弱点を補ってくれるのがAIアナウンサーです。

マイクの前で叫ぶ少年

先日あった、長野県北部での地震。最大震度は5強で、関わっている局の基準ではすぐに情報を入れなければいけない。

ボクがその役になるんだけど、たまたま生放送中。マイクの前に座っている。スタジオを空にするわけにはいかない。どうやって情報を取りに行けばいいんだ?

たまたま野球中継終わりのディレクターの手があいていたので、原稿を取ってきてもらって放送ができました。

地震はいつ起こるか分からない。今回は、たまたま自分が動けなくて、たまたま手の空いている人がいたからよかったものの、自分が動けなくて誰もいなかったら、どう動けばよかったか……と、頭の中のマニュアルに書き加えときました。

AIアナウンサーが導入されていたら、きっと、気象庁から情報が届いた瞬間に原稿ができて、一瞬でスタンバイできていたんでしょうね。そして、ほどよいところで再生することができたはずだ。

それは、テレビに文字情報が出るのとほぼ同じタイミング。人が入って準備するより、ずっと速い。

AIアナウンサーを開発した方の話では、人間の仕事を完全に奪うために作ったのではないとのこと。バナナエフエムでも、人間からAIアナウンサーに代わった番組は、今のところひとつもないそうだ。

あくまでも、放送局に人のいない時間帯に災害が起こったらどうするか、きめ細かい情報を、アナウンサーの技術や体力のことを考えることなく、届けるにはどうするかということに主眼をおいているとのこと。

うん、アナウンサーはAIに置き換わることはないようだ……って、ボクと競合してるじゃないか! ボク、それで生活してるんですけど!

でも、冷静に考えたらAIアナウンサーの方が優れているぞ。だって、この間まさに手薄の時間帯に地震がきて、困ったところじゃないか。ボクがやっていることは、もう先がないぞ。