DVDとBlu-rayで発売になった、小林賢太郎演劇作品「小林賢太郎演劇作品「振り子とチーズケーキ」。DVD版を買って、劇場で観た以来久しぶりにこの作品を観ました。やっぱりこれは小林賢太郎演劇作品史上一番小さなものだ。

小林賢太郎演劇作品『振り子とチーズケーキ』 [DVD]

小林賢太郎さんが演じているものを考えれば、全編がひとりごとと言ってもいい。竹井亮介さんとのふたり芝居だし、シーンの展開もそんなにない。

でも、そういう構成になっているから観ている人の心にストンとメッセージが入ってくる。ひょっとしたら、この作品は誰かのために書いたのかなあ。パッケージの後ろに書いてある語句で「独身文系男子に捧ぐ。」とあるように、どうしようか迷っている人に勇気をくれる作品です。

「振り子とチーズケーキ」というタイトルの意味も作品の中で明かされます。劇場で観た時、ボクは「振り子」の理由は分かったけど「チーズケーキ」の方がピンとこなかった。今回映像化されてやっとその意味を解釈しました。

好きな人のことを考えてると、いろんな妄想をしますよね。夜だったりすると、妄想に押しつぶされそうになって苦しくなったり。それって自分が勝手に考えてるだけなのにね。そして、その妄想はぜんぜん正確なものではない。そりゃ妄想の早い段階から間違ってることが多いんだもの。

そういった思考のプロセスを経て出てきたものをすり合わせてみても、かみ合うことは少ない。どこを見てるかでぜんぜん違う…ということがチーズケーキに込められてるんだね。なんのことだか分かんない人は、この作品を観てください。