TOHOシネマズ東浦で「運び屋」を観る。これぞ映画、さすがクリント・イーストウッド。

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クリント・イーストウッド監督・主演最新作『運び屋』公式サイト 大ヒット上映中!

90歳のアール・ストーン(クリント・イーストウッド)は、家族を二の次にして仕事一筋に生きてきたが、商売に失敗した果てに自宅を差し押さえられそうになる。そのとき彼は、車で荷物を運ぶだけの仕事を持ち掛けられる。それを引き受け、何の疑いも抱かずに積み荷を受け取っては運搬するアールだったが、荷物の中身は麻薬だった。

引用元:運び屋 (2018) – シネマトゥデイ

「うわあ……これが映画かあ……!」と思った、クリント・イーストウッド監督・主演の作品。テーマはシンプルだけど、観客の心を確実に動かしていくように進んでいくストーリー。

アールとコインが偶然出会っているあのシーンだって、ひとつ間違ったらご都合主義なストーリーになりそうなものだけど、そこにひとつ、今の時代に共感できるテーマを入れることで、意味のあるものになっている。そして、それがクライマックスでもう一度生きてくるんだよねえ……!

今の時代の、と言えば、90歳の老人が主人公だからこそできる、マイノリティーとのやりとり。彼が若かった時は、差別的な意味を自分では持っていなかったかもしれないけど、結果的に差別だった時代。それを現代の感覚に自らをアップデートしている、感性の若さ。年老いてもできるんだから、若い君たちだってできるだろう? というメッセージにも受け取れる。

まあ、彼の場合は、そうやって新しい世界に入っていくことで自分の居場所をみつけようとしたというところもあるけどね。そして、最後にみつけた自分の世界が、自分の近くにずーっとあった所だった……という、文字にしちゃうとシンプルなストーリー。

でも! でもね! これが、クリント・イーストウッドの手にかかると、映画になるんですよね。映画づくりって、シンプルなテーマでも、演出やストーリーでこんなに心を動かすことができるものなんだなあ。