なぜボクは、スマートフォン(スマホ)に入った情報を信頼しないで、テレビを観たんだろう。

熊本での地震、木曜に起こった震度7の時は、スマホのプッシュ通知を信じれずにテレビをつけました。そして、金曜の未明に起こった震度6強の地震では、スマホで見ていたSoLiVE24で緊急地震速報が流れたにもかかわらず、またテレビをつけたんです。

もう条件反射のように。なんでだ?

ボクにとって「いつものところ」は、NHK

振り返ってみたら、ボクがその時観ていたのはNHK。NHKが流している情報で確認したがっている自分がいたんです。

地震の情報なんて、どの局だってほぼ同じタイミングなのに、観たのはNHK。さらに言えば、同じ情報はスマホにも通知される。それでも観たのは、NHK。

どのチャンネルだって、どのメディアだっていいはずなのに、なぜそこを選ぶのか。それはやはり「いつものところ」という感じがするからだ。

接触頻度をいかに多くするか

例えば、スマホの動画配信サービスを日頃から観ているような生活だったら、こういう時もスッとスマホに手が伸びるんだろう。ボクはまだ、そういう思考回路になっていないのだ。「スマホで動画を観る」より「テレビを観る」方が慣れているからだ。

将来、ボクもスマホで動画を観ることに慣れるかもしれない。そうなったら、こういう情報を瞬時に確認したい時には、テレビを観ることなく、スマホでチェックするかもしれない。

つまり、接触頻度の問題ですね。人は普段観ているものから情報を得る。だから、人気番組を作ってそれを観てもらうことが大切なのだ。

発信者への信頼や安心感を求める

そして、テレビであれラジオであれブログであれソーシャルメディアであれ、情報を求める人にとって、発信者が「おなじみの人」にならなければいけない。

ラジオパーソナリティーが災害の時に声を出すってのは、そういうことだ。「いつもの人の声を聞いて安心した」ということだ。

ボクはラジオでしゃべらせてもらってるけど、果たして聞いている人はそのようにみてくれているだろうか。「あなたの声を聞いて安心した」と言ってもらえるだろうか。

その人への信頼。そして、そこから得られる安心感。それがあるから、人は集まるんだろうな。


信頼学の教室 (講談社現代新書)