木曜日、3本連続で映画を観た3本目は「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」。観る前までは「誰だよ! 屏風からトラを出したのは!」とか「最後はバターになるんでしょ?」と茶化していましたが、観た後に考えが一変。これはそういう作品じゃなかった。

映画「ライフ・オブ・パイ / トラと漂流した227日」オフィシャルサイト

1976年、インドで動物園を経営するパイ(スラージ・シャルマ)の一家はカナダへ移住するため太平洋上を航行中に、嵐に襲われ船が難破してしまう。家族の中で唯一生き残ったパイが命からがら乗り込んだ小さな救命ボートには、シマウマ、ハイエナ、オランウータン、ベンガルトラが乗っていた。ほどなくシマウマたちが死んでいき、ボートにはパイとベンガルトラだけが残る。残り少ない非常食、肉親を失った絶望的な状況に加え、空腹のトラがパイの命を狙っていて……。

引用元:映画『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』 – シネマトゥデイ

…そして、いつの間にか芽生える人間とトラとの友情。最後はひとりと一頭が協力して救助を待つ…なんて話じゃないです。結末は想像していたのとは全く違ってた。

だいたい、トラと一緒にひとつの救命ボートに乗るなんて、ありえないですよね。ましてや、その他にシマウマとハイエナとオランウータンなんて。その他にもいろいろ気になるところはあるんだけど、その「気になるところ」も、あえてそうしてるんじゃないかって思いました。

その感覚は、後半を超えたところで生まれてくる。そして、助かった後に展開される話のために、ここまで壮大な物語があったんだということに気づく。

漂流している間の海はきれいで、恐ろしい。自分もその海にいて、安全なところから見てるんじゃないかという気になってくる。そして、それも助かった後の話をしっかり印象づけるため…なんて思うと、ただキレイなだけの作品じゃないんだよね、これは。

もちろん「キレイだったねー」という印象だけでもいい。「よく分かんなかったね」でもいい。「深い話だったね」と、感想を語り合ってもいい。いろんな感想を持つ作品です。