毎日、お母さんと散歩に行きます。お日さまが手が届きそうな所にあるところから、そう簡単には捕まらないぞ、とお空にたかーく昇っていき、そのお日さまがちょっと疲れてお空から降りてくるころに、お母さんと散歩に行きます。

散歩をしていると、いろんなものを見ることができるので、好きです。いつもこの時期には、緑色のものがいっぱいあるんです。でも、寒くなると赤くなって落っこちてくることを知っています。なくなっちゃった! と思ってたら、暖かくなってくるとまた緑色のものがいっぱい現れます。お母さんに聞いたら、それは「葉っぱ」というものだと教えてくれました。葉っぱって、不思議なものですね。

ほかにも、たまに同じようなものがいっぱい通ることがあります。ものすごくおっきい、白と黒の固まりがいっぱい。お母さんに聞いたら、それは「中学生」というものだと教えてくれました。いっしょに「中間テスト」というものも教えてもらいましたが、難しすぎて忘れちゃいました。

でも、こないだ、すっごくめずらしいものを見たんです。「中学生」だと思ったんだけど、お母さんは違うって言うんです。じゃあ、なに? って聞いても、お母さんも知りませんでした。なんだろうと思って、ドキドキしながら見ていると、ビックリしました! もうひとつ、おっきな目が出てきて、こっちを見るんです! びっくりして、お母さんの陰に隠れました! そのおっきな目は、ずーっとこっちを見ていたかと思うと、目をそらしてどっかにいっちゃいました。お母さんは、ああいうときには気をつけてなきゃダメよ、って教えてくれました。

…と、思ってるに違いない。住宅地のひとコマです。やい、おいらを中学生と見たのかっ? そりゃあ、最近の子は体格いいから、背格好はいっしょに見られてもしょうがないけど…。

ネコの親子