本番中、進行を忘れてのめりこんでしまった。

週替りのパートナー、市民パーソナリティーの栗野次実さんと「楽器は弾けますか?」って話になった。

自分の思いのままに弾ける楽器はない。鍵盤楽器に憧れていたが「コードって何それ?」となって、そのまま。ギターは高校の音楽の時間に触ったことがあったが、これも「コードって何それ?」と思った記憶が。

コード進行が分かっていると弾いていて楽しいのだろうが、覚えることなく遠ざかってしまった。音楽の授業では、Cのアルペジオばっかり弾いていた。それはそれで楽しかったが。

と、ディレクターが教えてくれたのが、iOSアプリ「PlayGround」。タイルのようなものが画面に敷き詰められていて、それをなぞるだけでビートをつくることができるもの。

ディレクターの iPhone に入っていて、それを本番中に貸してもらった。マイクに近づけて、デモプレイ。……楽しい。指のスライドを変えることでいくつものリズムパターンができる。

気がつけば、そろそろメッセージの紹介にいかないといけない時間。というか、もうメッセージを紹介している時間はほとんどない。ディレクターも「まさかそんなに時間使うとは思いませんでした」と。

こういうものは嫌いじゃない。飽きずにずっとやることはできるし、前に担当していた音楽番組では、DJキットを使って作ったミックスをオンエアしていた。

番組の選曲もやっていた。今よりも音楽が身近にあったような気がする。今はちょっと離れているし、選曲ももうやることはなくなるだろう。

どこかにこのスキルを持っていってやろうか。企画書から番組を作る、とか、DJイベントを主催する、とか、おもしろそうだ。そういう考えになるのは、やっぱり好きなのだろう、こういうことが。