109シネマズ名古屋で「全員死刑」を観る。コミカルにみえるところも含めて、すべてが怖い。
家族思いのタカノリ(間宮祥太朗)は、組長の父テツジ(六平直政)と母ナオミ(入絵加奈子)を苦しめる借金を何とかしようと、兄のサトシ(毎熊克哉)と近所の資産家の金を狙って強盗を実行する。その際、資産家一家の息子を殺害したのをきっかけに、タカノリたちは次々と殺人を犯し……。
こちらの考えとは違う。それがコミカルにみえて、それが怖い
困ったから殺そう、という短絡的な考え。それも、行き当たりばったりのような計画性のなさ。殺害するということが生活のかなり近くにある人たち。
こういう考えの人たちが身近にいたら、怖い。どこでスイッチが入るか分からないもの。一見コメディにみえるところも、彼らが真面目にぶっとんでるからだ。そのギャップに、おかしさが生まれるのだ。
一見コントにみえるところだって、もっと計画的に行動していればそんなことにはならないわけで。ホントに怖いんですよ。「あ、しまった。ま、いっか。もう一回」みたいな感じで、残忍なことが続いていくから。
親孝行、家族思いともとれるが……。その筋の通し方も、怖い
計画は簡単、実行は困難。タカノリ以外の家族は、あと一歩踏み切れない。家族ができなきゃ俺が、と、タカノリは行動に移していく。家族のためを思って、とはいえ、やっていることは罪を犯すことだ。
これも、どうしてこういう行動になるのか理解できない。でも、彼らの中ではきちんと筋が通っている。これもまた、怖い。
考えられない、とか、信じがたい、とか、嘘でしょ、と思うことばかりだ。それがどこか現実離れしているように感じるし、コミカルにも感じる。でも、こういう世界は存在する。その世界がひょっとすると自分の近くにあるかもしれないと思うと、やっぱりゾッとする。
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