シネマスコーレで「斬、」を観る。なんだろう、観終わって悲しくなった。できるなら、この物語の世界が最初に戻ってほしい。

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映画「斬、」オフィシャルサイト。塚本晋也監督作品 池松壮亮 蒼井優 出演 2018年11月24日(土)よりユーロスペースほか全国公開!

江戸時代末期の日本は、開国か否かで大きく揺れていた。困窮の末に藩を後にし、農村の手伝いをする浪人の杢之進(池松壮亮)は、近所に住む姉弟のゆう(蒼井優)と市助(前田隆成)と共に時代の変化を感じながらも静かに過ごしていた。そこへすご腕の剣士・澤村(塚本晋也)が現れ、杢之進の剣の腕を見込んで動乱の京都に彼を誘おうとする。

引用元:斬、 (2018) – シネマトゥデイ

あなたなら誰の立場をとりますか?

「あなたならどうする?」と、テストされているようだ。杢之進の立場を貫きますか? 澤村の行動に納得できますか?

杢之進の言っていることは、頭では理解できる。でも、自分がその環境の中に置かれたら、どうですか? 同じ立場をずっと貫けますか? 人間って、結構わがままだと思うんですよ。

こんなにも「何もなければよかったのに」と思う作品はなかった。それじゃ映画にならないんだけど。それがもし、自分の周りに起こったらと思うと……。

塚本晋也さんの演技が、この作品の推進力になっている

塚本晋也さんは、自身の監督作品に出演している。伝えたいメッセージが自分自身で分かってるから、そっちに向かってまっすぐ進んでいく印象を受ける。この作品でも、塚本さんが演じている澤村がストーリーをぐいぐい引っ張っていく。

それは、自分のしていることは間違っていないと思っているという澤村の行動にも重なるんだけど、それが怖いんだよね。

うん、間違ってないはずなんだよ。でも、なんでだろう、こんなに悲しい気持ちになるのは。正義だったはずなのに……。自分たちの平和を守るってのはどういうことなんだろうと考えてしまった。