サッカーワールドカップアジア2次予選が2015年6月16日に行われ、日本はシンガポールに0対0で引き分けました。「決定力不足」という言葉にしてしまうのは違うと思う。日本代表のハリルホジッチ監督が「『100%これは決まるだろう』というチャンスを19回作った」って言ってるんだもの。
あの試合はいわゆる「決定力不足」ではない
フットボールには時々、こうした難しい状況がある。「100%これは決まるだろう」というチャンスを19回作った。フィニッシュに関しては、いくらでもディスカッションができるだろう。選手は本当に勝利を求めていた。もしかしたら次の試合は、少ないチャンスでも得点が入るかもしれない。イラク戦では、こんなにチャンスを作っていない。ただし、こういうチームにも勝たなければならなかった。
チャンスを作っていたのに決められないのを「決定力不足」と言うなら、それはそうなんだけど、これまではチャンスを作るところまで行ってないか、チャンスが少ないことを指していた言葉な気がするよ、決定力不足って。こういう試合を表現するには、違う言葉の方がいい。
ハリルホジッチ監督のコミュニケーション術
ところで、ハリルホジッチ監督の指導手腕が載った記事を読みました。今までの代表監督とは違うアプローチみたいだね。
ある協会スタッフから「監督はほぼ毎日と言っていいぐらい、協会に来ていますよ。ゴールデンウイークで世間が休みのときでも、部屋で仕事をされていたようですから」と聞いたことがある。ハリルホジッチは就任の際、協会内に監督室を用意するよう要求し、その部屋は技術部内に設置されている。
引用元:「自分も選手も徹底管理」がハリル式。部屋行き来禁止、長机、毎日出勤。(2/3) [サムライブルーの原材料] – Number Web – ナンバー
Number(ナンバー)879号 指揮官ハリルホジッチの正体 (Sports Graphic Number(スポーツ・グラフィック ナンバー))
スタッフとコミュニケーションを取りやすくすることを目的としているんだろうね。選手たちとも細かくコミュニケーションを取ってて、ちょっとおかしいと感じたら監督自身が選手にコンディションを聞くらしい。
選手やスタッフをまとめる役回りならコミュニケーションを取りやすくする環境をつくるのは当然なんだろうけど、こうやって記事になるくらいだから珍しいタイプなんだろうね。こういうことをする監督なら、ボクは信頼できる。
スポーツ選手もそうだけど、自分が何かをやっている時には周りから声を掛けられたいものだよね。子供は親から声を掛けられたい時期はあるだろうし、仕事をしている人だって「苦しくないか、大丈夫か」って声を掛けられたい時もある。見てくれているんだと思われることが、緊張感を生み、安心感も生む。
そういうコントロールを、ハリルホジッチ監督はやっているんだろうな。この監督が率いている限り、サッカー日本代表が空中分解することはなさそうだ。
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一緒に悔しがり、喜ぶ
チームが機能しているから、きのうの試合もシュートまでもっていった場面が多かったんだろうし。じゃ、なんで点が取れなかったの? ってことなんだけど、しょうがない、それがサッカーだもん。それがサッカーの魅力だもん。
選手と一緒に悔しがったり喜んだりするのが、サッカーのサポーター。すごく苦しくて、楽しいでしょ? そういう気持ちがJリーグでも楽しめるんだから、もうちょっとJリーグにお客さんが増えてもいいと思うなあ。
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