刈谷球場で、高校野球実況。安城高校と横須賀高校の試合は、3対2で安城高校の勝ち。

負けたら終わり、の高校野球。1点を取りに行く姿勢が、奇襲を生む。そして、それを予期していることは難しい。

横須賀高校は序盤、安城高校のピッチャーに抑え込まれる。4回までノーヒット。安城高校は3回にタイムリーで1点先制。

このまま安城高校のペースになるかな、横須賀高校が完全に沈黙してしまっている……と思っていた、5回の安城高校の攻撃に大きなできごとが。

ツーアウトランナー2・3塁で、安城高校がまさかのホームスチール。しかし、横須賀高校のピッチャーは冷静にプレートを外して3塁に送球。三塁とホームの間にランナーを挟んで、タッチアウト。これで無失点で切り抜けた……はずだった。

しかし、ボークの判定。アウトは認められない。このプレーで審判が競技し、ボークではなかった、きちんとプレートを外していたことが確認された。

プレーを止めたのは、アウトが成立する前。なので、ランナー3塁からやり直し。直後に2点タイムリーを打たれる。1対0から、3対0へ。

ただ、横須賀高校がこのプレーの後からベンチと応援席がひとつになる。打線がつながり、相手のエラーもあって2点を返す。直前の2点が、なかったことに。

2点失ってなかったら、横須賀高校が息を吹き返すことはなかったかもしれない。あのプレーは安城高校を楽にしたものでは、決してなかった。

そして難しいのは、一連のプレーをどのテンションで実況していいのかということ。自分が神のような視点で「ちゃんとやってほしい」とは絶対に言いたくないし、実況の立場が言うものでもないし、でも、間違いなく試合に影響した判定だから、触れないわけにもいかないし。

ホント、審判というのは大変な役割だ。それに見合った報酬があれば強く言ってもいいけど、そうじゃないからねえ……。それでも役割を引き受ける方々には、頭が下がります。

夏の高校野球県大会を行っている刈谷球場