きのうTOHOシネマズ名古屋ベイシティでもう一本「クロユリ団地」を観た。登場人物のラストに、ただただ「残念だなあ…」という気持ちしか起こらない。ボクだったら、あそこでどうするんだろう…と考えるのは難しいなあ。現実にはなかなか起こり得ない、いや、ほとんど起こり得ないことだから。
老朽化したクロユリ団地へと移り住んできた明日香(前田敦子)は、隣室から聞こえる何かを引っかくような音にへきえきしていた。ある日、鳴りやまない目覚まし時計の音を発端に、隣室で亡くなっている老人を見つけてしまう。それを機に周囲で頻発する怪現象に対する恐怖、老人を救えなかったという罪悪感から、精神的疲労を募らせていく明日香。老人が何かを伝えようとして音を立てていたのではないかと思った彼女は、遺品整理で隣室を訪れる特殊清掃員・笹原(成宮寛貴)とその真意を探ろうとするが。
怖いか怖くないかと言うと、怖くないです。いわゆる「ホラー映画」というつもりで行くと「あれ?」って思うかも。でも、それとは違う怖さがありました。
優しいから襲ってくる怖さ、かな。優しい人にはよいことがやって来るわけではない、という、いやーな感じ。救われないから「残念だなあ…」と思うんです。
前田敦子さんの演技も、そんな「残念だなあ…」という気持ちにさせてくれて、うまいんです。ストーリーの最初から中盤、そしてラストへ、と転落していくのを観ていくのは辛い。
最初にあった違和感がなくなると、いやーな感じが襲ってきた。観ている人を希望のないところに落としこむこの作品は、やっぱりホラー作品だなあと思うのです。
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