ミッドランドスクエアシネマ2で「映画大好きポンポさん」を観る。

クリエイティブに悩んでいる人、これからクリエイティブに関わろうとしている人、みんなに観てほしい。クリエイティブの華やかさと、そこにいる資格をもらい続けるための苦しさを観ることができるから。

「映画大好きポンポさん」サイトトップページ

劇場アニメ『映画大好きポンポさん』公式サイト

イラストコミュニケーションサービス「pixiv」で発表された杉谷庄吾によるコミックを原作にしたアニメーション。映画通の製作アシスタントの青年が目利きの映画プロデューサーに監督として抜てきされ、映画づくりに奔走する。監督を『劇場版 空の境界/第五章 矛盾螺旋』などの平尾隆之が務め、制作を『この世界の片隅に』などに携わったスタッフが立ち上げたCLAPが担当。ボイスキャストには清水尋也、小原好美、大谷凜香、加隈亜衣、大塚明夫などが名を連ねる。

引用元:映画『映画大好きポンポさん』予告編|シネマトゥデイ

ずっと泣きっぱなしでした

なんでこんなに泣くんだろう、と思うくらい、涙が止まりませんでした。

オープニングのゴージャス感に「原作のイメージがさらに大きくなった!」と泣いて、映画をつくるチームワークのよさに泣いて、出来上がっていく映画は傑作でなければならず、それを映画の中で表現するという難しさを見事に表現していることに泣いて。

原作のマンガを読んでも、ボロボロ泣いてたんです。だから、この作品の映画化が楽しみでした!

幸福は創造の敵、という恐ろしい現実

特に泣いたのは、製作アシスタントから監督を任された青年、ジーンの崖っぷち感。

自分には映画しかないんだ、ここ以外に居場所がないんだという姿は、若い時にほとんどを捨て、ひとつのことに賭け、身を立てることができたクリエイターなら誰もが共感すること。

映画の街、ニャリウッドは、華やかでもあり、恐ろしい街。夢を追いかける者、夢を叶えた者のエネルギーでキラキラしている。

でも、努力をし続けない、あるいは、自分が持っている不要なものを捨てないと、ここにいる資格を失ってしまう。

果たして、ボクは身を立てることができたのか、退場せざるを得ない状況か、と、自分の環境と照らし合わせた時に、さらに涙が出る。

展開がご都合主義? いやいや、こうなるために、ジーンは過去、どれだけのものを捨ててきているか。「幸福は創造の敵」というコピーの通り、映画に集中せざるを得なかった者がつかんだ、ひょっとすると最初で最後のチャンスだったかもしれないのだ。

満たされない思いが表現を生み出す。今苦しんでいるクリエイターが、自分の思いを表現活動に乗せられることができますように。自分もそうだけど。