豊田スタジアムでJリーグ実況。J1第32節、名古屋グランパス対柏レイソルの試合を、愛知県豊田市のコミュニティFM、エフエムとよた(ラジオ・ラブィート)の番組「GRAMPUS BEAT」で生放送でした。
ボクの今シーズンの実況はおしまい。そして、きょうピッチにいた選手のうちの4人とベンチにいる監督の様子を伝えることは、もうありません。
試合情報 2013J1リーグ第32節:名古屋グランパスvs柏レイソル | 名古屋グランパス公式サイト
3年連続で赤字だと、降格するルールがあります
Jリーグのことを知らない人の方が多いと思いますが、クラブが2012年度から3年連続で赤字を出すとJ1から落ちてしまうことになってます。グランパスの2012年の赤字額は2億5700万円(純利益)。2013年度も同じくらいの赤字額が予想されているので、来年度を黒字にしないとJ1にいられなくなってしまいます。
経費削減で、レギュラーを軒並み放出
そんな中、人件費を5億円減らすことにしたグランパスは、ダニエル選手に続き、田中隼磨選手、阿部翔平選手、増川隆洋選手との契約を結ばないことにしました。ストイコビッチ監督も今シーズン限りです。グランパスは今のところ、選手4人と監督、コーチが今シーズンでいなくなるのです。
へー…と思うかもしれないけど、これは大きな決断なんです。だって、レギュラーで試合に出る選手が3人、いなくなるんですから。ゴールキーパーの前で守っている選手が4人いるんだけど、そのうちの3人がいなくなる。野球で言えば、レギュラーの外野手が3人いなくなるってこと。…スポーツでたとえない方がいいかなあ。SMAPのメンバーがほとんどいなくなったとしたらどうですか? そのくらいの衝撃なんです。
クラブを去る選手が活躍しました。田中隼磨選手も…。
そういう中で戦ったこの試合、3対2でグランパスが勝ちました。決勝点を挙げたのはダニエル選手。クラブを去ることが決まっていても、全力でプレーしてました。もちろん、スタートからピッチにいた、田中隼磨選手、阿部翔平選手、増川隆洋選手も。
特に、田中隼磨選手は試合開始早々にケガをしたけど、後半の最後の方までプレーしました。試合が終わった後に、サポーターに向けて深々とお辞儀。涙を流し、声を出して別れを惜しむサポーター。納得行かない、でも仕方ないという空気がスタジアムを包みました。
プロは結果を出さないといけない。それは回りまわって、自分の居場所を失うことになる。そんな事を感じました。勝てないからお客さんが来なくなり、入場料収入が減って赤字になり、経費削減で選手が契約解除に…。勝たないと始まらないんですよね。
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