毎週金曜日は、コミュニティFMでラジオの生放送。そこでふだん、ボクは何をしているかというと……外を見てますね。

スタジオがあるのは、ケーブルテレビ局の1階。受付があるこのフロアは、テレビがいくつもあって、オンエアしているさまざまなチャンネルが流れている。その周りで、加入者の問い合わせに対応したり、商談をしてます。カーディーラーのショールームっぽいイメージかな。

そんな場所にあるスタジオは、一角がガラス張りになっていてる。訪れた人たちが放送の様子を見ることができるようになっています。

逆に言えば、こちらも訪れた人たちの様子を見ることができるわけで。すでに録音しているものを流すコーナーの時間のような、しゃべらなくてもいい時間では、なんとなくそちらを見ていることが多いのです。

カフボックス

祝日だったきょうは、中学1年の男の子がふたり来ました。親御さんがケーブルテレビ局に用があって、その付き添いかなと思ったら、ラジオの生放送の様子を見に来たんだって。

自分の記憶がフラッシュバック。あの時もゴールデンウィークだった。中学生の時に、ラジオ局の公開収録へ友達と一緒に行ったんです。

たぶん、ボクほどラジオへの熱はなかった友達ばかりだったと思うんだけどね。いつもラジオでしゃべってる人を見ることができたのは、ワクワクする体験でした。

ラジオでしゃべる人に憧れていた自分。何十年もたって自分が逆の立場になり、若い人に見られているのを感じると、その様子を見ている小さかった自分がいるのが分かる。

小さかった自分は、こういう様子を見ていて興味をもったんだ。今目の前にいるこの子も、これがきっかけで興味を持つかもしれない。

ラジオ界に明るい未来が、とか、次の世代へのバトンを、なんてことは思わないけど、自分はそうやって興味が増していったので、年をとった今は若い人が持っている興味の火を消さないようにしようとは思ってる。

その男の子たち、番組の途中でスタジオの前を離れました。このあと、さっき番組で取り上げていた施設に行くらしい。「ラジオを聞いたら行きたくなったので、このあと行って来ます」だって。

こういうことが目の前で起こるのはめったにないんだけど、目の前で起こっていなくて、間接的に起こっていることがある、ということは忘れないようにしないと。