センチュリーシネマで「犬猿」を観る。兄弟や姉妹がいる人が観たら、きっと「あるある! こういう気持ち!」ってなるよ。

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映画『犬猿』|大ヒット上映中!!

印刷会社で営業を担当している金山和成(窪田正孝)は、刑務所から出てきたばかりの乱暴者の兄・卓司(新井浩文)を恐れていた。一方、幾野由利亜(江上敬子)と、芸能活動をしているおバカな妹の真子(筧美和子)は、家業の印刷工場を切り盛りしていた。兄弟と姉妹の関係は、あるときから変化し始め……。

引用元:映画『犬猿』 – シネマトゥデイ

観に行くまでが、辛かった。観たら、愛があることが分かった

正直、観に行くまでが辛かった作品。兄弟、あるいは姉妹のケンカでしょ? しかも、兄貴は刑務所から出てきたってことは、弟に相当暴力を振るったり、迷惑をかけたりするんじゃない? ずーっと暴力が続くのは、辛いなあ……。

って思ってたのが大間違いだった。こんなに愛がある作品だとは思わなかった。まあ、ストレートな愛情が描かれていることはほとんどないんだけど。

新井浩文さんの演技に救われ、江上敬子さんの演技に思いっきり救われる

卓司がホント、不器用でね。感謝の伝え方が下手。ボクが思っていたほどの悪人じゃないんだってことは、新井浩文さんの演技からも伝わってくる。苦手だけど、嫌いじゃないかも。でも、身内にいたらすっごく迷惑って感じ。

ギスギスした兄弟や姉妹の関係が描かれている中で救われたのは、由利亜が喜びをひとりで爆発させるシーン。江上敬子さんの演技が光る。さすがニッチェ。あれがなければ、どこにも息が抜けるところがなかったよ、ボクは。

そこで大きく息をつくことができたボクは、その後の和成と真子の会話でもホッとする。そうだよね、大嫌い、大嫌い、大嫌い、大好きの感情が入り乱れるのが、兄弟だったり、姉妹なんだよね。

ラストに向かっていくシーンでの、お互いの気持ちの再確認、そして、簡単にはいかないぞという終わり方。観に行くまでは辛いなあと思っていたのが、観てよかったという気持ちになって劇場を後にしたのです。

兄弟や姉妹が持つ感覚って、本当に複雑だよね

兄弟や姉妹って、自分の分身であるかのように思うかもしれないね。幼少期や学生時代は、ほぼ一緒にいるんだから。親からなにかと比較されることもあるだろうから、この作品に描かれるような憎悪や嫉妬も生まれるだろうし。

そこから脱出するのは、お互いを認め合うこと。こいつ、すげえなってことがあれば、すっと楽になる。そういうシーン、この作品にもあったよね。

まあ、それだけで万事がうまくいく、とならないのが兄弟であったり、姉妹であるわけですが。この作品を観て、自分の兄弟や姉妹に感謝の気持ちを持つことにはならないかもしれないけど、少なくとも「あいつ、どうしてるかな」って、心の片隅に浮かんでくるだろうね。そのくらいの関係くらいがいいんじゃないですか、兄弟や姉妹って。