109シネマズ名古屋で「グレイテスト・ショーマン」を観る。ラストで感じた。もうひとつの「グレイテスト・ショーマン」。
P・T・バーナム(ヒュー・ジャックマン)は妻(ミシェル・ウィリアムズ)と娘たちを幸せにすることを願い、これまでにないゴージャスなショーを作ろうと考える。イギリスから奇跡の声を持つオペラ歌手ジェニー・リンド(レベッカ・ファーガソン)を連れてアメリカに戻った彼は、各地でショーを開催し、大成功を収めるが……。
差別を取り上げた……というのが色濃いものではなかった
本編にちらちらとみえる、差別へのメッセージ。19世紀には色濃く残っていたものや、21世紀の今でも取り上げられるもの。この時代に作られる意義のある作品だ。
……という感じの印象になるかなあと思っていたんだけど、違った。もうひとつのテーマがあったように感じた。これだから、予告編だけでストーリーを勝手にイメージしてはいけない。
バーナムは自分の信念に沿って、光を当てただけにすぎない
考えてみれば、バーナムがこのビジネスを始めたのは、差別されている人たちに光を当てるという目的ではなかったはずだ。ユニークな人間を集めてショーをする、ということが目的で、言ってみれば、そこに男の人生を賭けたんだ。
ユニークって、他に類を見ない、とか、唯一の、という意味もある。見方を変えれば、それは誇れることだ。この作品では、結果として光の当たっていなかった人たちに希望を与えた、ってことになったんだ。
バーナムはさらなる野心を持って次のショーをプロデュースする。それを観て、バーナムの心の中にある出世欲のようなものに気づく。上流階級に認められたいと思う気持ちは、幼いころの生活があったからだ。ここにも、差別のテーマがみえてくる。
誰が誰のことを「グレイテスト・ショーマン」と思ったのか
そして、挫折を経てバーナムが気づいたものが、実は今の日本で取り上げられている問題につながっていると感じた。バーナムからフィリップにキャストが変わる理由が……ねえ! そのあと「象とおじさん」だよ! ドラえもんの名作じゃないよ! あれは喜ぶよ、子供は。
タイトルの「グレイテスト・ショーマン」は、誰が誰に向かって言っているものなのか。サーカスの団長という立場ではない、もうひとつの大事な役割からみたものなんだなあ、って、最後に思いました。
バーナムがフィリップを口説いてサーカスに引き入れる、あのシーンはいいねえ。男ふたりの、ショットバープレイ。「The Other Side」に合わせての演技。あそこだけでも、何回も観たい。
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