16歳の時から高校野球の実況を始めてるけど、こんなにいろんなことがあったのは初めてだ!

刈谷球場で、高校野球東愛知大会の実況。愛知県東海市にあるコミュニティFM、メディアスエフエムで生中継された横須賀高校と岡崎東高校は、9対0、7回コールドで横須賀の勝ち。

前日まで雨が降っていて、岐阜県には大雨の特別警報が出るほどでした。愛知県の南よりにある刈谷市は、雲に覆われてはいるものの、雨の心配はなし。

厚い雲が垂れ込めている刈谷球場

ただ、風は強くて……! 30度近い気温はあっても、涼しいと感じるほど。これは本当に、夏の大会なのだろうか?

そういうコンディションの中で実況したのも初めてだけど、打球の行方が分からなくなったのも初めてだ。

6回の横須賀高校の攻撃。1アウト3塁の場面。バッターが打ったボールは、高々とライト方向に上がった。

野球をやっている人もそうだけど、長いこと実況をやっていれば、打った球のするどさや角度で、どのあたりに飛ぶかは分かる。これはライトフライ、いや、セカンドがライトに下がりながら捕るだろうな。

放送席からはテントの屋根に隠れてしまって、球が追えない。落ちてくるであろうライトのあたりを見ていたら、ボールは誰もいない一塁と二塁の間に落ちた! それを見て、それを見て、三塁ランナーがホームイン。

風で押し戻されたんですよ、ボールが。普段なら落ちるはずのエリアから、数メートル前に。守りなれているはずの野手でさえ、目測を間違えるくらいでした。

試合は、3回以降小刻みに点を取った横須賀が大量リード。岡崎東は相手ピッチャーに抑えられた。両チームの選手とも、のちに思い出すだろうね。あの時は風が強くて、と。