夜、瑞穂陸上競技場でサッカー実況。エフエムとよた(ラジオ・ラブィート)の中継番組「GRAMPUS BEAT」で、J1第20節、名古屋グランパス対ヴィッセル神戸の試合。グランパスは今シーズン、いや、ボクが実況を始めてからでもベストな試合。もっと言えば、これ以上完璧に戦ったのを見たことがない。

試合情報 2012J1リーグ第20節:名古屋グランパスvsヴィッセル神戸 | 名古屋グランパス公式サイト

グランパスは前半で3得点、後半で2得点。そのうちの4点が闘莉王選手という、もう二度と見られないかもしれない記録。普段はセンターバックという、自分のゴール前を守って相手の得点を許さないポジションに闘莉王選手はいるからね。最近はセンターフォワードという、相手ゴール近くにいて得点を取るポジションにいます。

野球で言えばピッチャーがセンターを守るようなものだし、そば屋に行ったらラーメンしかなかったようなもの。あ、勢いに任せて書いたら2番目のたとえはうまくないな。ま、そのくらい非常事態なんですよ、今のグランパスは。

この試合のグランパスは、見違えるようなパスワーク。ワンタッチでボールを回し、相手がついて来られない状況を作っていった。「これは蹴鞠ですか?」と実況で言いそうになったくらい。シンプルにボールを回して、シュートして、ゴール。

今までやりたくてもできなかったのに、なんできょうはできたんだろう? 前節の札幌戦で負けたのがよほど悔しかったんだろうな。今週は「恥じなければならない」と、90分走を2日やったらしい。あったよなあ、部活で試合に負けたら「走ってこい!」って言われたの。あれと一緒だね。

それが功を奏したか、試合開始から動きが全然違ったグランパス。あれこれ考えすぎず、一度リセットしてシンプルを追求した結果だね。これでしばらく大量得点で勝っていったら、リーグ戦がおもしろくなりそうだ。

ちなみに、5得点のうち4得点が闘莉王選手で、残りの1得点は小川佳純選手。これも嬉しい。今シーズンの小川選手、あまりいい活躍してなかった印象だもの。これで「あ、シンプルでいいんだ」って吹っ切れたら、こちらもおもしろくなりそうだ。