TOHOシネマズ名古屋ベイシティで「ヒッチコック」を観る。夫婦の前に仕事のパートナーであるヒッチコックとアルマ。アルマがヒッチコックをうまくコントロールしているのを見ると、旦那は妻に頭が上がらない、ということがちょっと分かる気がする。
1959年、作品の高評価とは裏腹に監督としてはアカデミー賞に縁遠かったアルフレッド・ヒッチコック(アンソニー・ホプキンス)は、後にサスペンス映画の金字塔と称される『サイコ』の製作に着手。しかし独創的かつ奇抜であるがゆえに資金繰りは難航し、数々の困難に見舞われてしまう。さらに、常に彼を支え続けてきた最大の理解者である妻アルマ(ヘレン・ミレン)との関係までほころびが生じてきて……。
主演女優を最初の30分で殺す、というアドバイスをしたエピソードをはじめ、映画「サイコ」が作られた時のエピソードが散りばめられている。そして「サイコ」で使われているあの有名な音楽が、この物語のクライマックスにも使われている。そこに向けて、ボクたち観客の集中力も高まっていく。
あのシーンは、映像と音楽の融合を画面で表している。でも、スクリーンにはヒッチコックを演じるアンソニー・ホプキンスと、映画を観ている観客が交互に映るだけ。それでも、演出の意図通りに観客が怖がっているのを表現している。ボクがこの映画で一番好きなシーン。
一般的に、奥さんは旦那のことを全部分かっているんだろうか。奥さんが旦那をコントロールしていくものなんだろうか。旦那は奥さんの手のひらの上で踊らされるものなんだろうか。映画を創る、ということしか見ていない、芸術家肌の旦那だからこそ、奥さんがコントロールしないといけないのかもしれないけど。
パートナーと一緒にいることが長くなった奥さん同士がこの作品を観て、近くのカフェで旦那のことを言い合うシーンが目に浮かぶ。チームをうまく率いていくのは、男より女性の方が向いているんじゃないか、とさえ思いました。
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