日本のバスケットリーグが、ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(JPBL)として、ひとつになることが決まりました。川淵三郎さんが先頭に立って進めてきたこのプロジェクト、JPBL参入にあたってさまざまな条件があります。中には「そんな厳しい条件を…」というものもあるようです。
でも、そんな厳しい条件に対して「こうしたらどう?」と、提案することで「そうか…そのやり方ならできるかも」と思わせることができたのも、ひとつになれた要因なんですね。
「こうすればいいじゃない」の提案
川淵さんがやったことは、JPBLに入る条件として、全員プロ契約を結んだり、5000人以上のキャパシティを持った会場を用意するなど、お金がかかることもありました。厳密に適用させるには、かなり難しい条件だなあ…と思ってたんですが、どうやらそこまでではなかったみたい。
その川淵氏が今回振るった大ナタは、これまでの日本バスケットボール界にはなかった発想のものでした。たとえば、①プロ選手契約が原則(一部例外も)、②ホームアリーナの収容人員は5000人程度を確保、③チームの年俸総額制限を廃止、④健全な財務体質の確立……などです。
これら、バスケットボール界にとっては「高い壁」と言えるような問題について、川淵氏は迅速かつ現実的対応策を示したのでした。
まず①に関しては、たとえば東芝(ブレイブサンダース)の選手が全員社員なので、その身分をプロに変えられるのか?という問題が浮上しましたが、「現役を終えたときに東芝の正規社員として仕事ができるという身分を保証すればいいでしょう、言ってみたらセカンドキャリアだから」と、選手を大切にする柔軟な提案をしました。
②の問題、たとえば秋田県内に5000人収容のアリーナがないことについては、「仮設席や立ち見席のような融通を利かせていただくことをダメとは言いません。秋田ほどバスケットの人気がある地域はなくて、日本一になる可能性がある。将来は1万人ぐらいのアリーナがあって、試合があれば切符が完売するくらいのチームになってほしい、その途中過程として『立ち見はけしからん』と言うつもりはありません」と、地方創生にもつながる夢を掲げます。
引用元:「成果を生む怒り方」は川淵チェアマンに学べ | 人生なぜかうまくいく人のアンガーマネジメント | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト
「こうしなさい」ということに対して、言いっぱなしじゃなくて「こういうやり方があるじゃない」と提案する。なるほど、そういう柔軟な対応をすればいいんだ! 今までなかなかひとつになれなかったリーグがまとまったのは、こういう発想ができるよ、って案を示したからなんだね。
JPBLのシーズンが始まるのは、2016年の10月が予定されてます。今までできなかったことがあっという間に決まっていったのは、川淵三郎さんの力強く、柔軟なリーダーシップがあったからこそだね。
コメントを残す