伏見ミリオン座で「恋人たち」を観る。恋をすることは、もう一方の面があるということを突きつけていたよ。
映画『恋人たち』公式サイト | 2015年11月14日(土)公開
橋梁点検の仕事をしているアツシ(篠原篤)には、愛する妻を通り魔殺人事件で亡くしたつらい過去があった。自分に関心がない夫と考え方が違う姑と生活している瞳子(成嶋瞳子)は、パートの取引先の男と親しくなったことから平凡な日常が変わっていく。エリート弁護士の四ノ宮(池田良)は友人にひそかな思いを寄せていたが、ある日、誤解が生じてしまい……。
アツシも瞳子も四ノ宮も、スクリーンの中の人とは思えない。どこかで本当に生活してるんじゃないかというくらい、演技に過剰さがない。なので、おもーい展開がずどーんとお腹に響いてくる。
絶望から立ち直れない人、異性に夢を求める人、そしてマイノリティの悲哀を受けてしまう人。埋まらないし、埋められない心の隙間。「恋人たち」なんて甘いタイトルが付いているけど、愛についてのもう一方の面を目をそらさずに描き出している。
目をそらさないことで見えてくるもの。目をそらさないでいると、縛られているものから解き放たれるのかもしれない。
ボクが思わず声をあげたのは、ラストシーン。色彩が変わるくらいのインパクト。あれで観終わった後の受け取り方が違ってきたんだな。
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