伏見にあるミリオン座で「そこのみにて光輝く」を観る。ひとつひとつのシーンが訴えかけてきた。多くの言葉では語らないけど、存在しているもの、切り取っている風景が訴えかけてくる。生きることが息苦しい、と。
仕事を辞めて何もせずに生活していた達夫(綾野剛)は、パチンコ屋で気が荒いもののフレンドリーな青年、拓児(菅田将暉)と出会う。拓児の住むバラックには、寝たきりの父親、かいがいしく世話をする母親、そして姉の千夏(池脇千鶴)がいた。達夫と千夏は互いに思い合うようになり、ついに二人は結ばれる。ところがある日、達夫は千夏の衝撃的な事実を知り……。
登場する人物の日常を淡々と描いている。社会の底辺と言ってもいいくらいの環境の中を生きている姿は、ここでしか生きられないんだし…という諦めのようなものにも見える。
環境を大きく変えて、一発逆転を狙うことは難しいかもしれないけど、ひょっとしたらここから抜け出せるかもしれない…という希望が生まれる。もしかしたらダメかもしれないけど、その希望があるから生きることができる。
その希望は置かれている環境からしたら些細なことで、結局何も変わらないかもしれないけど、観終わってボクが感じたのは、暗闇の中にさした一筋の光でした。
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