TOHOシネマズ名古屋ベイシティで「光をくれた人」を観る。やってはいけないことをしていても共感できるのは、丁寧な映像づくりだからかも。
1918年、トム(マイケル・ファスベンダー)は戦争から帰還するものの、心は深く傷ついていた。その後彼は、灯台守の仕事に就く。彼はオーストラリア西部の岬からおよそ160キロメートルも先の孤島ヤヌス島に渡り、3か月の間一人で生活する。そして正式に採用されたトムは契約のために町に戻り、土地の名士の娘イザベル(アリシア・ヴィキャンデル)と出会う。
丁寧に描いているので、共感してしまう
2度の流産をスクリーン越しに共有する。その後に、小舟に乗った赤ちゃんが流れ着く。さあ、この赤ちゃんを自分たちの手で育てることにするか?
普段なら間違いなく届けるだろうけど、スクリーンの向こうとこちらで気持ちを共有している。だから、やっちゃいけないことも「まあ、しょうがないか……」という気持ちになってしまう。2度の流産を丁寧に描いているからこそ、だ。映画って、すごいな。そうやって気持ちを共有させることができるから。
日本のタイトルは「光をくれた人」。このつけられ方もよく考えられていて、灯台守の話だから「光をくれた人」ということかなと思ったんだけど、もうひとつの「光をくれた人」に気づくと、なるほどなあって思う。
愛は人を変える。言葉にすると陳腐だけどね
それまでの価値観を変えてしまう人って、突然現れるものだ。そういったカテゴリーのひとつに「愛する人」がある。自分のそれまでの経験から生まれた価値観とはまったく違う、別の価値観とのぶつかり合うことで起こる、自分の変化。
トムはイザベルと出会ったことで、大きく変わった。愛する人の存在は、こんなに勇気づけてくれるものなのか。
アリシア・ヴィキャンデルの表情もみどころ
イザベル役のアリシア・ヴィキャンデルって、この作品だけでいろんな表情をみせてました。子供っぽいなと思う時もあれば、母親だなって時もある。そして、怖いと思った時もある。この作品でボクが心を動かされたのは、彼女の表情という面が大きかったのは間違いない。
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