TOHOシネマズ名古屋ベイシティで「家族はつらいよ2」を観る。いや、観たくなかったんですよ。平田周造を観てると身近な人を思い出しちゃうので。でも、間違いなく面白いと思ったという気持ちが勝ちました。結果、観て正解!
家族全員を巻き込んだ平田周造(橋爪功)と妻・富子(吉行和子)との離婚騒動から数年。マイカーでのドライブを趣味にしていた周造だが、車に傷が目立つようになったことから長男・幸之助(西村雅彦)は運転免許証を返上させようと動く。だが、それを知った周造は意固地になって運転を続ける。ある日、行きつけの居酒屋のおかみ・かよ(風吹ジュン)を乗せてドライブをしていた周造は、故郷広島の同級生・丸田吟平(小林稔侍)と偶然再会。周造は四十数年ぶりに一緒に酒を飲み、丸田を自宅に泊めるが……。
平田周造、あなたの周りにも絶対いる……はず
この作品でも、家族から煙たがられている平田周造は健在。橋爪功さん、なんであんなにハマってるんだろ。まさか、ご自身が実際に……?
セリフの言い回しから間の取り方、仕草のひとつひとつが本当に気にさわる。誰もが身近な人を思い出さずにはいられない。
そして、個人的にはそんな人と周造との共通項がひとつあって、ボクは目の前が暗くなったというか、絶望というか、諦めのような気持ちになったのです。ここまでいっしょなのか!
気を遣いながらともに生きる家族。それが仕草やセリフに
周造だけじゃなくて、ほかの登場人物もセリフからその家族での立場が分かって、家族で気を遣って生きていくって、こういうことなんだろうなあ、と。
場の空気をあんまり考えない男たちと、うまく空気を読んでいく女性たち。ホント、女性には頭が上がらない。社会を円滑にしているのは、女性たちだ。
その中でも、蒼井優さん演じる憲子の存在が光る。この作品でも、ジョーカーだったよね。役割が前作と同じ。というか、しっかりしている人だ。
今回のテーマも、広い意味で家族を扱ったものだった。その中心になる人を演じたのは、小林稔侍さん。前作は違う役だったけど、今後のシリーズもこういう役回りになるのかな。
そうだよね、すべての家族が平田家のようなものじゃないよね。前作が光であったとしたら、今作は闇。決して軽いものではない。
でもね、笑えるんです。重いものを扱うほど、ちょっとしたことでギャップが生まれて笑いにつながるのは世の常。そして、この作品で生まれている笑いは失礼なものでも、不謹慎なものでもない。これが喜劇なんだなあ。
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