名古屋ボストン美術館で開催されている「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」展を観ました。
初代歌川豊国の弟子の、歌川国芳と歌川国貞。江戸時代後期から幕末の浮世絵界のスターだったふたり。物語の一場面を表現したり、歌舞伎役者の顔を描いたり、あるいは、花魁の姿絵を描いたり。
今でいう漫画家やフォトグラファーのような存在でしょうね。当時の浮世絵の価格はそば一杯ぶんだったそうで、みんなが手軽に買えるものだったようです。今なら、コンビニに並んでいる雑誌のようなもの、でしょうか。
サムライブルーの原点か?
国芳の「讃岐院眷属をして為朝をすくう図(さぬきいんけんぞくをしてためともをすくうず)」がありました。3枚でひとつの構図をなしているこの絵は、ちょっと離れて観ると立体的にみえてくる。
この絵の他にも物語の一場面を表現しているものがありましたが、印象に残ったのは色合い。藍色を基調にしたものが多かったんです。
ふと「サムライブルーだなあ」と思いました。サッカーの日本代表のユニフォームは青を基調にしている。国旗の色からすれば、赤だと思うんだけどね。
なぜユニフォームが青なのか理由ははっきりしないようですが、ひょっとすると江戸時代の浮世絵の色づかいが、日本人の意識に入っているのかもしれないね。
この構図でトレーディングカードができたら、おもしろそう
歌舞伎役者の姿絵もありました。今だと、ブロマイドやグラビアポスター、トレーディングカードのようなものですよね。
お気に入りの役者を買ってたんだろうなあ。5枚で1セット、なんてものもあって、当時でも「コンプリートしたい」って思ったんだろうなあ。
もちろん「コンプリート」なんて言葉は当時はなかっただろうけど。なんて言ってたのかな。「昆符離位等」かな。そんなわけないか。
こういうの、プロスポーツでも取り入れればいいのにね。サッカーだったら、ディフェンダー4人ぶんでディフェンスラインを作ってる、とか。並べたらあら不思議、立体的な構図になっている、っていう感じで。単に選手の写真をカードにしているよりも、おもしろいと思うよ。
歌舞伎のことが分かってると、もっと楽しめたな。どっかで歌舞伎に触れるタイミングはないかなあ。
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