TOHOシネマズ名古屋ベイシティで「ムーンライト」を観る。観た人はきっと、あの人のことを思い出す。

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映画『ムーンライト』公式サイト

マイアミの貧困地域で、麻薬を常習している母親ポーラ(ナオミ・ハリス)と暮らす少年シャロン(アレックス・R・ヒバート)。学校ではチビと呼ばれていじめられ、母親からは育児放棄されている彼は、何かと面倒を見てくれる麻薬ディーラーのホアン(マハーシャラ・アリ)とその妻、唯一の友人のケビンだけが心の支えだった。そんな中、シャロンは同性のケビンを好きになる。そのことを誰にも言わなかったが……。

引用元:映画『ムーンライト』 – シネマトゥデイ

40代に入っているからこそ、ずしんとした思いになった

20代や30代のボクがこの作品を観ていたら、ピンとこなかったと思う。40代になって、それなりに自分のやってきたことが積み重なってきた今だからこそ、観終わって心に残るものがあった。

それは「今こうなったのも、自分があの時に選んだからだ。あの時の選択、間違ってたかなあ。いや、こうなっちゃったけど、そんなに間違いってほどではないかな」という、自分のこれまでを振り返るような、ずしんとした思い。

きっとあの人のことを思い出す

小さい頃に、誰から影響を受けてきたか。肉親か、近所の兄ちゃんか、おじさんか。あるいは、姉ちゃんか、おばさんか。

育ててもらったというわけではないけれど、なんかあの時、一緒にいることが多かったなという人。自分が成長してからの行動は、そういう人たちからの影響を受けているのは間違いない。

シャロンが大きくなって「ブラック」と認知されるようになった時、若手への接し方がホアンと似ていたと感じた。自分が受けてきたやさしさを、次の世代に渡していくんだなあ。

シャロンとは境遇が全然違うボクだけど、自分のこれまでを振り返らずにいられない。きっと、この作品を観た人の多くは、自分が憧れていた身近なあの人のことを思い出すだろうな。