サッカー前日本代表監督、ハリルホジッチ氏の解任は、普通に考えても異常だ。
だって、ワールドカップの本番2ヶ月前に、3年間指揮してきた監督を交代させるんだもの。
ボクは3年前の「サッカー日本代表ハリルホジッチ監督のコミュニケーション術に感心する」って記事で「この監督が率いている限り、サッカー日本代表が空中分解することはなさそうだ」って書いてたのに、まさかこんなことになってしまうとは……!
サッカー日本代表ハリルホジッチ監督のコミュニケーション術に感心する | 折出賢一のウェブサイト
知らない人のために言っておくと、ワールドカップは4年ごとに開催されます。
そのうちの3年を指揮しているザッケローニ氏は、当然本番の大会に向けて逆算してチームづくりをしてきているはずだ。それを、2ヶ月前に解任するなんて……。
本番が始まるのにいなくなるなんて、まるで「心が叫びたがってるんだ。」みたいだ。でも、あの作品は自分からいなくなったんであって、この件は解任、自分から退いたんじゃないからね。
理由については、選手とのコミュニケーション不足だそうだ。
でも、サッカーって、監督の力はかなり大きい。監督の戦術に合った選手が起用されるのが当たり前。だから「ハリルJAPAN」って言われるんだよ。
監督が変わったら、戦術がガラッと変わってしまうのがサッカー。2ヶ月で組み立てるなんて、難しいミッションだ。
それに、代表選手は毎日いっしょにいるわけじゃないからね。
日本ならリーグ戦があって、それと並行していくわけだから、実質数週間しかいっしょにいられない。
じゃあ、もっと早くから集まれば……ってわけにはいかない。
日本だけに限らず、世界中どの国も、代表選手を集められる期間ってのがある。
代表監督ってのはクラブチームの監督と違って、超短期間で結果を出さなければいけない。だまって俺について来い、的な強さが必要だ。
もちろん、選手の意見をまったく聞かないわけではないだろうけど、全部を聞いていたら監督が描くチームの方向性がブレてしまう。
必要なのは、ビジョンを持って、それに向かって進んでいく力だ。
サッカー協会から与えられたミッションに向かって、逆算してプランを立てる。
これはサッカーに限らず、ビジネスのプロジェクトだって旅行の計画を立てるときだって同じだ。
実行するまであと少し、って時になって「もういいです」って言われたんだもの、ザッケローニ氏は悔しかっただろうなあ。
解任したサッカー協会も言い分はあるんだろうけど、シンプルに「なんでこんなギリギリに解任?」って疑問は出る。協会もそこを丁寧に説明している。それでも、何か変だなあ、という気持ちは消えない。
ワールドカップの本番2ヶ月前に監督を解任することがどうして変なのかは、中村慎太郎さんが note に書いているハリルホジッチ解任でサッカークラスタが発狂している理由を読むと分かる。「こんな細かい作業をしているんだ、サッカーって。それなのに、なんで……?」って思うよ。
ハリルホジッチ解任でサッカークラスタが発狂している理由|中村慎太郎|note
サッカーにあまり興味のない人なら、ワールドカップでの日本代表の戦いに一喜一憂できるだろう。
でも、ザッケローニ氏が日本代表を率いてきたのを見てきた人は、今回のワールドカップへの興味は薄れてしまった。
ザッケローニ氏の手腕に肯定的だった人も否定的だった人も、結果を見ることができなくなってしまったから。
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