きのう、久しぶりにテレビ番組「サザエさん」を観たんです。オープニングの映像が、やけにツルッツルのテッカテカだなあと思ってたら、そうだ、2013年10月6日の放送から完全デジタル化したんだった。

朝日新聞デジタル:アニメのセル画、姿消す 「サザエさん」完全デジタル化 – カルチャー
ギネス認定でございまーす サザエさん、最長アニメ放送 …

サザエさん、デジタル化になって色が迫ってくる感じに

記憶に残っているセル画時代のサザエさんとは微妙に違う色。キャラクターの肌の色が「どやっ」っと迫ってくる感じ。デジタルでは若干色黒になっているかなあ、という印象でした。そして、一番気持ち悪かったのが、波平さんが会社から帰ってきた時に来ていたコートの色でした。系統は似ているけど、濃くなってる!

波平さんのコートが濃くて、キツい性格に見えるなあ

セル画の時はもうちょっと淡かったよなあ…。その頃の色がベージュだとしたら、今のコートは黄土色に近い。茶色の成分が少し多め。コートを新調した、と言えばそれまでなんだけど、なんか印象が違う。テレビ番組「笑点」で、桂歌丸さんが大喜利の解答者から司会者になった時に、お召しのグリーンの着物が濃くなった時と同じような違和感。

声優は確実に年を重ねる…と思った翌日に!

「サザエさん」でおなじみの、家族そろってちゃぶ台を囲むシーン。声の印象もボクの記憶とは違ってた。単純に言って、老けてる…。ま、ボクの記憶がもう十何年も前のものだから、そりゃそうですよ。ボクだって20代の声と比べたら確実に老けている。アニメのキャラクターは年を取らないけど、声優さんはそういうわけにはいかないんだなあ…と感じました。

そして、きょう。まさか波平さんの役をやっていた永井一郎さんが亡くなるということを聞くなんて!

波平さん役の声優・永井一郎さん死去 収録先のホテルで:朝日新聞デジタル

著書を読んで、記事にしていました

永井一郎さんと言えば、ボクは「朗読のヒント」という本なんです。講師をしていた専門学校の本棚にあって、借りてきて読んだことがありました。確かそのメモがどこかにあったよなあ…と探すと、8年くらい前にブログに書いていた! タイトルも「永井一郎の『朗読のヒント』」と、そのまま。ネットにものを書くことを長く続けてると、こんなこともあるんだなあ。

その記事を読み返してみると、こう書いてあった。

朗読に必要なのはイメージ、それも自分がそのイメージの中にいる三次元的なものでないと、的確な強弱やイントネーション、間などで表現することができないということが書いてあって、そうそう、ボクも教えてもらってたときにそんなこと言われてたなあ、と懐かしくなりました。

いろんな作品の中にいた永井一郎さん

永井一郎さんも、演じている時に自分がその中にいるようにしていたんだろうなあ。45年も続いてる「サザエさん」だけど、波平さんへの考え方も、自分が年を重ねる中で変わっていったんでしょうね。始まった時は37歳だった永井一郎さんも、82歳になってたんだもの…と計算したら、永井一郎さんが波平さんを演じ始めたのって、今の自分よりひとつ下の年齢だったことを知る。ちなみに、波平さんは永遠の54歳。

永井一郎さんは、磯野波平を借りて45年間ずっと「サザエさん」の中にいた。時には厳しく、時には優しいお父さんで…と言えるかもしれないけど、ボクは「うる星やつら」の錯乱坊のイメージが強い。あのキャラクターも、永井一郎さんの一部が出ていたのかなあ。