「あと20年でなくなる50の仕事」って新書を読んだことがある。そこには書かれていなかったが、ニュースを読むアナウンサーってのも、なくなる仕事なのかもしれない。
「ニュースマネージャー」が、アナウンサーを駆逐する?
2016年8月にソニーが実証実験を行った「ニュースマネージャー」。ニュース原稿を音声とCGに変換する。
Sony Japan | ニュースリリース | デジタルアナウンサー「ニュースマネージャー」ソニービジョン渋谷で実証実験スタート
理想は“1人で制作できるニュース番組”–ソニー「ニュースマネージャー」の狙い – CNET Japan
「ニュースマネージャー」のキャスター、森下真帆の声のモデルは寿美菜子さんで、沢村碧の声のモデルは雨宮天さん。合成音声のもとになる声って、どうやって収録していくんだろう。
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ニュースを読むためにスクールに通い、時間とお金をかけてアナウンスのスキルを獲得した側からすると「やめてくれ!」って思う。
アナウンスを勉強したことがある人なら分かる、原稿読みの難しさ。自分の都合で息継ぎができない苦しさ。意味を正確に伝えるためには、フレーズを切っちゃいけないんです。
イントネーションを変なところであげないよう、矯正に苦しんだ日々。いわゆる「しゃくらないようにする」ってやつです。
落ち着いているトーンを出すために、イントネーションを微妙に調整するテクニック。高めの声のボクが理解した感覚は「直前に上げたトーンの高さの2分の1くらいに押さえる」ってこと。なんのことだか分からないでしょうが。
時間とお金をかけたものは、その価値を必要としているところへ
そう、こういう「なんのことだか分からないこと」に時間とお金をかけた結果、放送局でニュースを読んでもいいという評価をもらったんであって、コンピューターの声が簡単にニュースを読んでもらっちゃ困るんです。
ましてや、ボクなんか高校生から勉強してるんで、四半世紀の時間を捧げたプライドが音を立てて崩れる…! アイデンティティークライシスですよ!
でも、こういう思いって、これまで変化の波にのまれた多くの人が思ってるんだろうな。便利なことが絶対分かってるのに、固執してしまわざるを得ない人。新美南吉の「おじいさんのランプ」に出てくる巳之助の気持ちが、痛いほど分かる。
敗れていく者としては、身につけたスキルが生かせる場所を探すしかないのだ。その価値を必要としているところは、きっとある。
そうは言っても、人間がニュースを読む需要はある
ただ、現状では合成音声のニュースは、長いとお経みたいに聞こえるそうで、合成音声が読むニュースが適している長さは100字から200字だそうだ。
このくらいの長さは、FMラジオで聞くヘッドラインニュースよりちょっと長いくらいだ。時間にして30秒から40秒くらいかな。なんだ、1分もたないのか! それなら、人間がニュースを読む需要は、まだまだありそうだ。
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